Look at only me 2【JK】

69話 ページ19

《食欲ない？》
と言われて首を横に振る。


「……どれから食べていいか分からなくて」





土曜日になって、
ジミン君に連れて来られたフレンチ料理店は、
私が思ってたより畏まっていて、場違いな気がする。





だけど、《何か緊張するね》
と言うジミン君の笑顔は、
いつも通り優しくて安心する。





お店を出ると、
それからバーに行って軽くお酒を口にして、
ジミン君の家に行く前に
《何かお菓子とか食べ物買っていく？》
と言うから、途中でコンビニに寄った。



《何がいい？》とジミン君に言われ、
選んでるふりをしながら正直何でもよかった。







ジミン君の家に着いた頃には、
23時30分を過ぎていた。






初めて入るジミン君の部屋は、
整理整頓されていて、
いつも彼がつけている香水の香りがした。






部屋の真ん中に置いてある照明がお洒落で、
ジミン君のセンスの良さがうかがえる。






二人でソファーに座ると、
ジミン君が《何か見たい番組でもあった？》と言う。


「………え？」


《だって、さっきから時間ずっと気にしてる》







そう言われて初めて、さっきから自分が時計ばかり見ていることに気付く。





慌てて首を横に振っても、
ジミン君は何も言わずに私を見つめるだけだし、
部屋の中が静かで居心地が悪い。






「テレビつけていい？」
咄嗟にテーブルの上に置いてあったリモコンを取ろうと、伸ばした手はジミン君に握られてしまう。







気付いた時にはキスが始まっていた。



ジミン君とキスしたのは初めてじゃない。
だけどいつもと違うキスと、
腰に回った手がこの先の事を予感させていた。





必死についていきながら………
こうなるって分かってたんだから。
大丈夫。後悔なんてしない。
だって私はジミン君が好きなんだもん。
誰に話してるのか分からない一人言を
心の中で喋っていた。





だけどいつの間にかソファーに横になっていて、
ジミン君が私の上にいて……
咄嗟に「ジミン君ちょっと待って、」と言えば
《何で？俺の事好きでしょ？だから付き合ってるんでしょ？》
と震える私の手をソファーに押し付けた。






その瞬間、本当に無意識に心の中で何度も
「ジョングク……」と名前を呼んでいた。

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