韓国人のBoyfriend【JK】3

【番外編】6 ページ41

『とりあえず寒いからどっか中入ろ？
今の時間どこも店閉まってるから、
俺んちでいい？』





頷くと、
握られた手はそのまま彼のダウンの
ポケットに入れられて、
その中で指を絡ませるように繋ぎ直された。



並んで手を繋いで歩くだけで
ドキドキするのは
私がジョングク君を好きすぎるから？


それとも私が奥手なだけ？


分からないけど、
会って数分で私は何度も
ジョングク君にドキドキさせられてるのに、
彼は平気な顔で隣を歩いてる。









『どっか観光したの？』


「ううん。ホテルに着いたの遅かったし、
向かいの居酒屋でご飯食べただけ」


『……そっか、』


「お店、すごい行列だったね」


『うん、自分でもびっくりしてる。
てか、髪切ったの？』



「うん」






気付いてたんだ。

ジョングク君の事だから、
けっこうカットしたこの髪にさえ気付かない？
って思ってたけど……。






「変かな？」


『いや、別にいんじゃない』






“似合ってる”

なんて言葉じゃないとこが
やっぱりジョングク君だ。





なんて事ない会話でも

面と向かって話せるだけで特別で、

私は今、頬が緩みっぱなしな気がする。







お店の近くに部屋を借りたって聞いてたけど、

ジョングク君の一人暮らしの家は

ほんとにお店の目と鼻の先にある

新築の綺麗なマンションだった。







中に入ると、テレビとテーブル。

その後ろにベッドだけ。

1DKだけどキッチンも部屋も広くて、
繁華街にあるピカピカの部屋は、
家賃が高いんじゃないかなって思った。








『適当に座ってて。
温かい飲み物、コーヒーしかないけど、
Aちゃん苦手だよね？』


「あっ、会社にコーヒーメーカーがあるから飲めるようになったんだ」



『マジ？じゃ、コーヒー淹れる』





テーブルの近くに腰を下ろして
キッチンにいるジョングク君の後ろ姿を見つめる。



そして、その近くにある
彼が今日持って帰ってきてた
大きな紙袋にそっと視線を移した。






さっきチラっと見えたけど、
中は全部ラッピングが施された箱で
それがバレンタインのチョコだって分かってる。




パンパンの紙袋を見ると、

私の作ったチョコレートは必要ない気がして、

完全に渡すタイミングを失ってしまった。

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