韓国人のBoyfriend【JK】3

【番外編】1 ページ36

釜山ってどんな所だろう。




ジョングク君が育った場所だから
きっと素敵なとこなんだろうな
って考えながら、窓の外の景色を眺める。




さっきから私が探してしまうのは
ラブソングばかりで、
耳につけたイヤフォンから聴こえてくるのは
甘い歌詞ばかり。







“会いたかった”




って歌詞にドキドキして、
高まる鼓動を抑えられない。




その理由は今から会いに行く人が
好きな人だから。









ソウルから釜山まで
4時間ぐらい。


バスに揺られながら
ジョングク君は私を見たら
どんな顔をするだろって考えたらワクワクした。











遡ること2ヶ月前。


私達の気持ちがやっと通じ合えた次の日。

最終バスでジョングク君は
釜山に行ってしまった。






２人でバスを待ってる時に、
近くに私達と同い年ぐらいのカップルがいて、
同じようにこれから旅立つ彼を
彼女が見送りに来てる様子だった。


２人はずっと手を繋いで、
キスしたり、
“離れたくない”
とか、聞いてる方が恥ずかしくなる
甘い言葉を囁き合ってた。







かたや私達は、

あんまり言葉も交わさず、手も繋いでいなくて。

バスが来たら、ジョングク君は

『じゃあ、バス乗るね』

ってだけ言い残して、

足早に去って行った。









何なんだこの違いはって思ったけど、
これがジョングク君だ。





バスの前で、手を引っ張り合いながら
まだ離れようとしないカップルを横目に、
私は思った。



恋の仕方って人それぞれだと。




別れを惜しむ２人を素敵だと思うし、

あっさりしてるかもしれないけど、

距離なんて怖くないって思えてる私達も
けっこう素敵なんじゃないかと思った。








彼の釜山のお店がオープンして1ヶ月ちょっと、

ジョングク君は忙しくて休めていない。







しばらく休みは取れないから
会いにいけないって言われてたけど、
やっと連休が取れたから、
サプライズでジョングク君に会いに
釜山にやって来た。






だって今日はバレンタインデー。





昨日の夜、
2時間かけて作った手作りのチョコを手に、
私はバスから降りた。

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