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133話 ページ34

数分、ジョングク君は黙ってた。


その間、何度か私をチラチラ見つめて、

咳払いをしたり、

髪を乱すようにかき上げたり、

忙しなかった。




何度目かの咳払いの後、

『お互い同じ気持ちならさ、
この中途半端な関係をどうにかしたい』

って言った。





余裕そうな言葉だったけど、
やっぱり早口だった。










『俺は、Aちゃんが好きだ。
何にでも一生懸命で、
優しくて、真っ直ぐで。
あと……うん。
多分、全部好き』





そう言って、
私の右手に触れるジョングク君の左手を、
離れないように
直ぐに握り返した。







『Aちゃんの理想の男がどんな男かは知らないけど、
その理想より、もっといい男になってみせるから。
だから、
だからさ、
………………俺と付き合って?』









口下手な彼が
言葉を慎重に選ぶように口にする。

理想って何だろと一瞬考えて、
私の理想の人は、きっとジョングク君だと思った。





出会いは最悪だった。

大嫌いって思ってた。


だけどいつの間にか心を掴まれて、

それから、その心が離れることはなかった。

いつの間にか私の一方的で憧れのような恋は、
本気の恋に変わった。






無愛想で、でも優しくて、
冷たくて、でも暖かくて、
ありのままのジョングク君が
私はどうしようもなく好きだ。









彼の言葉に頷いた瞬間
手を引かれると、
ジョングク君の方に引き寄せられた。




どちらともなくもっと近づいて、
私たちは唇を重ねた。




触れるだけのキスだったけど、
触れた唇から身体全体に幸福感が広がって、
私は今、多分顔が真っ赤だ。









『あー、もうほんと好き』


って呟いて、
同じように真っ赤な顔で、空を仰ぐジョングク君の顔が、
公園の街頭に照らされて、
あまりにもかっこよくて。

ドラマの中のワンシーンみたいだ。








私が主演の韓国ドラマの恋人役は
ずっとジョングク君で、

タイトルは、

“韓国人のボーイフレンド”

なんてどうかなって思った。




うん、ピッタリな気がする。








私達の恋に最終回なんて
もう二度と来ないよね?




ジョングク君と同じように空を見上げながら
心の中でそう問いかけると、



ジョングク君は
それが聞こえたみたいに



『俺達、ずっと一緒にいようね』



と呟いた。








end

◆あとがき◆→←132話



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設定タグ:BTS , ジョングク , 防弾少年団   
作品ジャンル:恋愛
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moka(プロフ) - m...iさん» m...iさん、読んで頂きありがとうございます♡少し編集のためパスワードつけてますが、終わりましたら解除するのでお待ち下さい🙏   (4月3日 17時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - kanさん» kanさん、ドキドキしてもらえて嬉しいです😌読んで頂きありがとうございます♡少し編集のためパスワードつけてますが、終わりましたら解除するのでお待ち下さい🙏 (4月3日 17時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
m...i - すごく楽しく見せてもらいました続きがすごく読みたいです!パスワード教えていただいてよろしいですか? (4月3日 15時) (レス) id: 21753a5ca6 (このIDを非表示/違反報告)
kan - 読んでる時、ずっとドキドキしてました。とても面白かったです!続きを読みたいのですがパスワードがわかりません。教えていただいてもいいですか? (4月3日 11時) (レス) id: 1389d959b0 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - N--aさん» N--aさん、読み返してもらえて嬉しいです!ありがとうございます♡少し編集してたのでパスワードかけてました。解除しますね! (3月30日 17時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:moka | 作成日時:2024年1月7日 16時

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