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129話 ページ30

その言葉に、
我慢してた涙が溢れて、頬を伝っていく。




さっきの出来事を彼の前で口にはしたくない。
知られたくない。

そう思ったら、

もうそれを止めることが出来なくて、

私は両手で顔を覆った。





静まりきった夜の空気の中に

私の泣き声だけが響いて、

恥ずかしいのに、

どうしてだろ?

ジョングク君の前だと泣いていい気がした。





“何で泣いてるの?”
とか
“泣かないで”
とか

ジョングク君は
そんな事は言わなかった。




何にも言わずに、
ただ私が泣き止むのを待っていた。





あの時みたいだな……………。


バイト帰りに男の人達に絡まれて、
泣いてしまった私に、
慰めるような言葉なんて一言も言わずに
ただ側にいてくれた。









数分たって、泣き止んだ私が、
やっと
「……来てくれてありがとう」
って口にしたら、

ジョングク君は
『で、何があったの?』

ってキャリーケースをベンチの横に置いて、
私の隣に座った。








ベンチは狭くて、
近くに感じる距離に少しびくっとすると、
ジョングク君は少しだけ私に離れるように
座り直した。








『話してくんなきゃ、分かんないよ』





言うまで聞かれるかなと思ったから、
さっきの出来事を話した。


全部事実を口にしたら
心配するって分かってるから、
関係先の社長さんに口説かれて
ちょっと怖くて公園まで逃げてきた。
とだけ説明した。








『口説かれただけで、そんな震えんの?』

って、ジョングク君は、
まだ少し震えてる私の手を見つめる。





全部分かってるって顔してた。





私の気持ちには気付かない鈍感頭なのに、
こういう時だけ勘が鋭いんだね。







『全部は言わなくていいけど、
1つだけ教えて。
触られたりとか、そんなんしてない?
されてたら俺が、』



「大丈夫、何もされてないから」



『あの彼氏は?何してんの?
同じ会社でしょ?』









えっと……って口籠もった瞬間、

私の震える手を、
ジョングク君の左手が掴んで、
そのままぎゅっと強く握られた。








『俺が彼氏だったら
そんな思いさせないのに』

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設定タグ:BTS , ジョングク , 防弾少年団   
作品ジャンル:恋愛
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moka(プロフ) - m...iさん» m...iさん、読んで頂きありがとうございます♡少し編集のためパスワードつけてますが、終わりましたら解除するのでお待ち下さい🙏   (4月3日 17時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - kanさん» kanさん、ドキドキしてもらえて嬉しいです😌読んで頂きありがとうございます♡少し編集のためパスワードつけてますが、終わりましたら解除するのでお待ち下さい🙏 (4月3日 17時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
m...i - すごく楽しく見せてもらいました続きがすごく読みたいです!パスワード教えていただいてよろしいですか? (4月3日 15時) (レス) id: 21753a5ca6 (このIDを非表示/違反報告)
kan - 読んでる時、ずっとドキドキしてました。とても面白かったです!続きを読みたいのですがパスワードがわかりません。教えていただいてもいいですか? (4月3日 11時) (レス) id: 1389d959b0 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - N--aさん» N--aさん、読み返してもらえて嬉しいです!ありがとうございます♡少し編集してたのでパスワードかけてました。解除しますね! (3月30日 17時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:moka | 作成日時:2024年1月7日 16時

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