韓国人のBoyfriend【JK】3

120話 ページ21

《好きだからすれ違うんだよ》


ユンギさんは
外の松の木を見ながらそう言った。





「意味分からないです」


《お前、そいつ以外と恋愛経験ないの？》


「………はい。ダメですか？」


《別にダメじゃねぇよ。
俺もまぁ大して恋愛経験あるわけじゃないから
偉そうな事言えないけどさ。
人って、
好きな奴の気持ちだけ分かんないもんなんだよ》




なんて、ユンギさんはいきなり
似合わない恋の話を語り出した。





《今まで何人かと付き合ってきたけど、
そん中で本気で好きだったのって1人だけだった。
他の、まぁ何となく付き合った子の気持ちなんて手に取るように分かったのに、
好きな子の気持ちだけはよく分かんなくて、
いっつも喧嘩して、すれ違って……
全然うまくいかねぇの》






こんなに自分の事話してくれるユンギさんは初めてで、
その話に聞き入ってしまって
ただ黙って彼の言葉に相槌を打った。






《好きだから相手の気持ちが分からなくて深読みして、暴走して、またすれ違って。
そういうもんなんだよ。
それが恋なんだよ》










ユンギさんが言った

“好きだからすれ違う”

が本当なら、恋って苦しいだけじゃん。

と思って、ジョングク君との恋愛を振り返ると
ユンギさんの言った通り
ジョングク君の気持ちが分からなくて、
苦しいが多い恋だった。
楽しいよりもずっとずっと。


それは私が一方的にジョングク君を想ってたからだと思ってたけど、
好き同士でも苦しいって恋って果てしない。






《苦しくても一緒にいたいなら
もう一度歩みよらねぇとな》



その言葉に頷いた。


話を聞いてくれないかもしれないけど、
でも私は伝えなきゃいけない。



ジョングク君に、今の自分の気持ちを。







《気持ち伝えて、それでもダメだったら
そん時は、俺がお前を受け止めてやるよ》






私は、
ユンギさんの言葉の意味をよく理解しないまま
“はい”
と呟いた。

121話→←119話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す