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"特に何もする事はないからただ勉強で"という先輩の言葉通り何もする事がない。
というより今の私には"何も出来ない"と言った方が合いそう。
だから突然何かを手にして騒がしく小走りする女性スタッフとか何処かに指示をしてるベテランと思われる年配の男性スタッフとその指示通り仕事をこなす若い男性スタッフとか、そういうのを目で追って、この雰囲気を学ぶ。
先輩は大体私の隣にいてあれこれ説明してくれているけれど誰かに話しかけられて何処かに行ってしまう時もある。
私もあんな風になれるのだろうか、と弱気だ。
何十分か経過して何処かで誰かが"休憩"と言った言葉が耳に入ってきてそれを知る。
とはいえ何処かに行ったきりまだ戻って来ていない先輩を差し置いて動けるはずもない。
どうしたものか。
無意味に髪を耳に掛け直すがもう既に掛かっているから本当に無意味な行動だ。
無駄にトイレにでも行こうと辺りを見渡す。
だいぶ離れた場所にいるジミンと目が合う。
いや、まさか。
そう思って視線を動かす。
が、視界の端に視線を感じる。
また、ジミンと目が合う。
私のすぐ背後にある壁を見てるのかと思って振り向いてみると貼り紙が一枚あって"電気は手動で必ず消灯"と書いてある。
これが読みたいのかもしれない。
数歩だけ左にずれる。
今度はの背後の壁に何もない場所。
また。
ジミンと目が合う。
流石に勘違いではない。
"何だろう""どうしよう"という思考が勝手に私の目を忙しく動かす。
他人の空似でもあるのだろうか。
「初めまして?ですよね?」
何回目かのどうしようのターンで、どうしようもない状況に当たる。
さっき通り過ぎただけだったジミンが、私に話しかけている。
私の目の前に立って。
色が白く線が細い。
足が長い。
面食らった私にジミンは'
こんな会話をするだいぶ前にお尻が丸くて羨ましいとか思ってしまった事を心の中で謝罪した。
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作者名:かむ | 作成日時:2024年2月14日 10時