＃１０ ページ10
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出場者五組が出揃って、まずは自己紹介が始まった。
名前をお互いった後、司会者の質問に答える。
いつからなのか、とか、告白はどっちからなのか、とか。
「３年３組、宮侑です！」
『同じく３年３組星月Aです』
名前を言っただけで騒がれる。
やめてくださーい。
司会者の、いつから付き合ってますか？の質問に、
ツムが答える。
「一年の後期球技大会の日からですね」
ツムが話し始めると静かになるのに、
話終えるとそれまでよりも大きな声で騒ぐ不思議。
そこからも質問には全部ツムに答えてもらった。
「最後に彼女さんに聞きたいんですけど、」
ずっと黙ってたら回答券を渡された。
頼むから変な質問はナシでお願いします。
「どうして、宮治くんではなく侑くんだったんですか？」
『今、治関係ありますか？』
司会者にキレる暇もなく口から出ていた。
この場に居ない治をココで出すのは頭おかしい。
私がガチトーンで言った所為で、会場の空気が凍り付く。
「治こんなところまで出てくんなや亡霊か！！」
「喧しいわこっちだって迷惑や！！！」
ツムは治が居ることを知ってたのか知らんけど、
急に治に叫びだして、
遠くから治の声が飛んできた。
双子のおかげで何とか空気は戻った。
そのタイミングで次の組に回る。
『ごめんツム、ありがとう』
「お礼言いたいのはコッチや。
サムのこと守ってくれたんやろ？」
笑いに変えてくれたお礼を言ったら、
私の頭を撫でながら逆にお礼を言われた。
みんなが見てるから恥ずかしい。
次は共同作業という名目で、何か自由に発表するらしい。
ココで私たちはバレーをやる。
自分たちの番になって対人をする。
勝手に応募されたお返しに、フェイントしたり強打を打ったりして、
ツムを翻弄した。
だけど一回もボール落とさなかったのはなんか凄かった。(語彙力)
自分たちが座ってた場所に戻ると、
“A鬼やな”、と笑って言われた。
なんかちょっとスッキリして隣に座る。
膝の上に置いたボールを両手で触ってると、
何も言わずに私の手を取って恋人繋ぎをするツム。
その横顔は、なんだかとても嬉しそうだった。
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作者名：Ano | 作成日時：2020年12月2日 10時
