等身大の青と春 Ⅲ【宮侑】 (ページ25)

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＃２５ページ25

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オリンピックも平和に終わって、落ち着いた頃。

『なんか言いたいことあるでしょ？？』

家に帰ってきてずっとソワソワしてるツム。
子供たちを寝かしつけたあと、
ぼーっとテレビを見てるツムに聞いた。

「は？！！い、いや、無いし！！！」

『嘘下手やなあ。何年隣に居ると思ってんの』

前言撤回。
初対面でも嘘ついてるって分かるな。

“どーしたの”、とツムの隣に座って、
彼の手を握って再度聞いてみる。

すると大人しくなって、ぼそぼそと小さい声で話し始める。

「……海外リーグ行きたい」

『いいやん！ツムは日本で収まるような人やないもん！』

予想外の反応だったのか、ツムは目をぱちぱちさせている。
私はその“夢”をいつ口に出してくれるのか、
ずっと楽しみにしてたんだよ。

だけど本人は納得してないのか、
続けて小さい声で話し続ける。

いつもの威勢はどこいったん！？

「でも、離れ離れで寂しくないん？」

『ツム忘れたん？私は大切な人をサポートするのが夢なんだよ？

一緒についていくに決まってるやん！
それに子供たちにもいい勉強だと思うし』

そう伝えると、ツムは少し笑った。
そして私のことを抱きしめる。

「ほんっっまにありがとう」

『それにツムは私が居ないと生きてけないでしょ？』

「いやほんまにすみません」