＃１８ ページ18
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大学の入学式から丁度４年が経った。
私も晴れて今日、社会人になる。
一足先に社会人の仲間入りを果たしているツムに、
入社式の前に連絡を入れる。
今日から頑張ります!!
侑Aなら大丈夫や!
頑張ってな!!
ツムからの返信を確認してからスマホを鞄に入れ、
入社式の場所へ向かう。
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「ココが食堂ね、たくさん使って！」
入社式後、直属の上司自らが施設を紹介してくれている。
同じ職種の人が同期に居らず、マンツーマンで教えてもらう。
一通りの施設見学が終わったところで、
「じゃあみんなに自己紹介しに行こうか」
と言われ、みんなが集まってるであろう場所に行く。
その場所に行くと“みんな”に該当する人が集まっていて、
私達は静かにその人たちの横側に行き、
中央で話してる人の話を聞く。
新生活にぴったりな激励の言葉ばかりで、
改めて身が引き締まる。
「じゃあ、ここで新しい仲間を紹介しようかな」
何も考えずその人の顔を見ていたら目が合った。
隣に居た上司に肘で小突かれ、“あぁ、私のことか”と気づく。
さっきまで話してた人の隣に立ち、たくさんの人の前で自己紹介をする。
『本日より、MSBYブラックジャッカルの
専属トレーナーとしてお世話になります、星月Aです」
宜しくお願いします、と言って頭を下げると、
温かい拍手で迎え入れてくれた。
「は？」
「はっ？！！」
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「ちょおちょお、専属トレーナって何！？！」
『え、そのままの意味？』
自己紹介してすぐの空きの時間に、
ツムに体育館の外に連れてかれた。
侑はとっても動揺してるのが見て分かる。
だけど、これは本当に偶然だから。
私がアスリートのトレーナーになれるよう勉強していて、
就職先を探していたらBJのインターンがあったから参加したら、
そのまま内々定を頂いた形。
ツムの入団よりも先に決まっていたことだから、
そこに下心なんて微塵もない。
「大阪の会社行くって言うとったやん…？」
『ココ大阪じゃん？？』
「あ、そやった」
全然納得してない表情を見せながら、
頭を掻いたツムが私の手を取る。
「…おめでとう、これからよろしく」
顔を赤くして上目遣いで見てきたツムに、
思わず頬が緩む。
『うん、こちらこそよろしく！』
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作者名：Ano | 作成日時：2020年12月2日 10時
