それでも、君と一緒に (ページ8)

今日:57 hit、昨日:32 hit、合計:72,758 hit

〇ページ8

にしても彼は変り者だ。

冒頭にも述べたように、私は歴代彼氏からすると超が付くほどのワガママらしい。
無理を言ったつもりはなかったのだけれど、彼等からすると私は重たくて扱いづらくて面倒らしい。

しかも彼はめちゃくちゃモテる、とにかくモテる。街を歩けば振り返る女の子、SNSには彼女お構いなしでDMしてくる女の子、もうとにかく景瑚が他の子の所に行くんじゃないかって気が気じゃなくて。
多分今までの彼氏よりたくさんのワガママを押し付けている。

でも景瑚は私が言ったことはなんでもやってのける。めちゃくちゃ涼しい顔して。
まるでそれがあたりまえかのように。

「景瑚はさ、」
「なに？」
「私の事、ワガママだと思う？」
「んー、まぁある程度は」
「どの辺が？」

さっきと同じ体制でスマホを操作する景瑚。
目を離したスマホを顎に付け考えるポーズをとる。

「俺への独占欲が強いところ？」
「それワガママなの？」
「わかんないけど、でも女の子は皆ワガママでいいと思うよ？」
「なんで？」
「だって、世界一好きな子のしてほしいこと叶えられるなんて、幸せだと思わない？俺はめっちゃ幸せ」

たれ目気味な目をふにゃっとさせてすり寄ってくる。
まるで大型犬だ。

そんでワガママなの自覚してたんだねって私の頭を３回ポンポン。

そうか、景瑚には全部お見通しなのか。ちょっと侮ってたな。