それでも、君と一緒に (ページ5)

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時間が経つと人間って、めちゃくちゃ大事だと思ったことにこんなにも意識が行かなくなるのか。

『俺がこの人を守りたい』

最初はいろんな事考えとったのに、Aがいる日常があまりにも当たり前すぎて忘れとった。
ほんまに好きなのは変わらんけど。

でも１つ文句言わせてほしい。

あいつ面倒見良すぎるねん。
ほんまによく人の事見とるし、それでおってめちゃくちゃ優しいから

「しょうがないからいいよ」

って笑って許してくれたり。

でもどこかで腑に落ちてないところがあって、ああやって爆発する時があるんやろな。
無理させてるやん、さらにカッコ悪。

お腹が空いていきついた先は近くのコンビニ。
最近はちょっと控えとったライフガードを２本手に取ってカゴに投げた。

お腹満たせるもんと、ポテチ。
そんでかごに入れかけてハッとしたがAの好きなプリン。

一緒にコンビニ行くたび買ってたから完全に無意識やった。
改めてそこでAが日常の一部になってることに気が付く。

そのまま２個カゴに入れて会計に向かう。

外に出るとさっきより暗くなってて、街灯が明るく映る。
家に帰るとAはまだ帰ってなくて、だいぶ焦った。
もう外真っ暗やし、どこに行ったかも分らんし、流石に心配になって探しに行こうかソワソワしてた時に玄関から音がした。

急いで玄関に行くとちょっと薄着で驚いた顔をしたAが立っていた。

「た、だいま…」

Aの顔を見て安心したのと、このまま帰ってきてくれないんじゃないかっていう不安から解き放たれたのが一気にきて思わず強めに抱きしめてしまった。

「ごめん、ほんまにごめん」
「私もごめんね、言い過ぎた」

ゆっくり俺の背中に回る細い左腕。落ち着いたテンポで背中をトントンされた。
あかん涙出る。