それでも、君と一緒に (ページ4)

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〇　Shion.side ページ4

また、馬鹿馬鹿しいことで喧嘩をした。
ほんまに毎回しょうもない。

「ねえ、帰ってきたのに返事もなし？」
「何回言ったら靴下洗濯籠に入れるの？」
「朝ごはんの食器ぐらい洗ってくれてもいいじゃん」

「でもAも別に全部出来てないやん」

いつもやったら、俺なりに考えて言葉を投げてるつもりやけど、今日はなんかカチンときてキツめに言い返してもうた。
気が付いた時には家にAの気配がなくて、家から出たことを認識する。
そこで心底やっちまったなって後悔した。
Aは朝早く出て毎日仕事でへとへとになるまで働いてんの知ってんのに、俺は家帰ってきてゲームの画面に張り付いてソファから一歩も動かへん。

さっきもAに言われたいろんな不満や愚痴はほとんど全部図星で。
でも、何個かは「今言うなよ」みたいな内容でカチンときたのはほんま。
でも何も言い返せん事に気付いた俺が何よりカッコ悪くて、Aの顔を見れない、顔を見たくないって言葉が口から先に出てもうた。

「はぁ～～～～…」

長い溜息と画面にでかでかと映る『ＹＯＵＬＯＯＳＥ』の文字。

なぁんもうまくいかんな。
いや、自分のせいやな。

ソファに転がって見上げた天井は真っ白で、答えなんか書いとらん。
整理がつかん頭と同じように両手で髪の毛をぐしゃぐしゃにした。
そんなことしたとて、思考はもとの整理整頓された状態にはならんかった。

ゲームの画面を消して、頭を冷やすためにAと同じように家を出た。
外のちょっと冷たい風に当たれば冷静になれるやろ、と。

時計みたら6時半越えてて、窓の外が暗くなっとった。