それでも、君と一緒に (ページ23)

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「楽しみにしてくれてたの？ありがとう。ちゃんと楽しい？」
「もちろんです。こうやって定期的に遊びたいです」
「そうだね～最近出かけることなかったから、定期的に遊ぶのいいかもね。あ、今度は裕太も一緒に」

「僕はAさんと二人が良いです」

食い気味に答えられたそれに上手く反応出来ることはなく、反射的に顔を上げる。

「好きなんです、Aさんが。僕を彼氏にしてください」

「えっ？かれっ…」
「なんでそんな顔してるんですか笑」

思わずぽかんと口を開けて豆ちゃんの顔を見つめてしまった。
さっき少し悟ってしまったとはいえ、急にこうしてストレートに気持ちを伝えられるとびっくりして固まってしまう。

ゆっくりとアイスコーヒーを口に含んだ豆ちゃんは落ち着いていて、いつもの姿からは想像が出来なかった。
心地のいい音楽が流れる店内で、私の中で心臓の音が似つかわしくないぐらい早く動く。

「ありがとう、嬉しい。でも、」
「でも、こんな年上の女やめとけって？」
「えっ…なんで？」
「Aさん全部顔に出てます。分かりやす過ぎてめっちゃおもろいです」
「年上をからかわないの」

氷から解けた水で薄まってしまったカフェラテを、心を落ち着けるために喉に通す。グラスに落とした視線を前にやると、真っ直ぐ私を見つめニコニコと笑う豆ちゃん。
嘘偽りない気持ちなのがひしひしと伝わってくる上に、いつもの子犬のような表情を見るとこの子なら、と、揺れ動くものしかなかった。

「で、Aさんどうしますか」
「どう、って言われましても…」
「僕は本気です。Aさんと一緒にいたいです」

「よろしく、お願いします…」

この大きくて素直で小さな犬に翻弄されるのは、また別のお話。