＿CHESS *終幕

File 13-16 ページ17

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( …何この状況 )









ここ最近

毎日の様に通い詰めてるCHESSのアジト

其処のドアを開けて都築が思ったことは

まずそれだった









『 …顕嵐、勇太？ 』


顕「 A…、

久しぶり 」


『 いや、最後に会ったの数日前だけどね 』









ソファに座っていた阿部が立ち上がり言った

その言葉に苦笑しながら京本を見るも

小さく肩を竦められただけだった









アジトには京本と阿部、神宮寺がいた

思いもよらなかった姿に驚いたのも無理はない









勇「 …A 」


『 …何？ 』









革張りのソファに鞄を置き

制服の襟元を緩めていると

目の前に神宮寺が立つ

最後、最悪な状況で別れたため

バレないように密かに身構えるも

神宮寺は予想外の行動をとった







勇「 …ごめんっ！ 」


『 はっ？ 』








勢いよく頭を下げられ

思わず言葉が漏れる

だが神宮寺は顔をあげずに言葉を続ける









勇「 …最後の日、

言ったの、完全に八つ当たりだった

ごめん 」


『 …あぁ、そのこと 』


勇「 俺、頭に血上ってて

Aを傷付けた

謝っても許してくんないかもだけど… 」









頭を下げ続ける神宮寺に気付かれないように

小さく溜め息をつく







( あたし、そんな頭が固く見えんのかな )









確かにプライドは高いけどさ、と

内心思いながら

無理矢理頭を上げさせる








『 …バーカ

おあいこでしょ

あたしだって殴り掛かろうとしたんだから

…それに、黙ってて

勇太の方が傷付いたかもしれない 』


勇「 …A 」


『 情けない顔しないでよ、もう… 』









いかにも涙堪えてる様子に

思わず顔を顰める

ただ、その口元は綻んでいる








大「 帰れって言っても居座んだよ、こいつら 」


顕「 や、だってCHESSに戻りたくて… 」









北「 なぁ、大我

外に岩橋居て…、って

なんで2人もいんの？ 」








扉から顔を覗かせた松村が

目を丸くする

その横では不安気に岩橋が立っている








『 玄樹 』


玄「 …ごめん

俺、やっぱりCHESSが居場所だから 」









京本が溜め息をついたのが聞こえた

だが追い返したりはしない

きっと本人も少なからず嬉しいのだろう








( あーあ

嘘ついた意味がないわけね

…本当、能天気な奴ばっかり )









けどまぁ、

やっぱり6人が集まってる方が

しっくりくるかもね









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