＿CHESS *第4幕

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─────── PM 21:23









勇「 やべー、

遅くなった 」









街灯に照らされた

人気のない道を走るのは神宮寺

都築から18:00過ぎに

ﾞ 家に泊まりに行くかも ﾞという連絡があったが

女の子と遊んでいた神宮寺は気付かず

携帯を見たのはそれから3時間後の

ついさっきだった









基本的に都築が泊まりに行くのは

京本、松村、岩橋の一人暮らし組だ

元々一人暮らしだった京本や松村、

そして大学に入って家を出た岩橋

この3人が都合がいい

寝込んでいる母親と暮らす阿部や

いつ帰ってくるか分からない神宮寺は

会話や関係性からして危険だった

だから都築から泊まりに来るなんて

考えもしなかった









勇( 母親と鉢合わせてなきゃ良いけど )








走り続けてるため

携帯を見る余裕すら無い

どれくらい走ったのか

暗い路地裏に差し掛かったとき

少し足を止め乱れた呼吸を整えようとする









勇「 …っ！ 」








後ろに何かの気配を感じ

咄嗟に振り返り様に蹴りを入れる

だが、脚は空を切り地面に触れた

神宮寺は暗闇に目を凝らす









「 ───…ほー、

気配を察しできるとは

流石ってとこか 」


勇「 …誰だよ 」








男の声がして

数m先でゆらりと人影が揺れた

相手に問いを投げ掛けるも

その声は何度か聞いたことがあった

そして、

出来ればもう2度と聞きたくなかったかもしれない









勇「 …まぁ、答えなくてもいいや









Murdererの藤井だな、てめぇ 」









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