＿CHESS *第4幕

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『 あ、居た 』









顔を覗かせた都築が

松村を見付ける









『 何処行ってたの 』


北「 その服に合う靴を探してた

これ、 」


『 …なんか、沢山買わせるつもりよね 』


北「 商売だからな 」









そう言いながら

都築の足元に靴を置く

文句を言いながらも

それを履くと

ピッタリとはまる









『 …どう？ 』


北「 うん、そっちの方がいい

その靴もな 」


『 んー、

ウェッジソールは持ってんだけどなー…

…ま、良いか

じゃ、これ全部 』


北「 着てく？ 」


『 や、着てかない 』









もう一度試着室に消え

少しして出てきたときには

店に来たときの格好に戻っている

レジに戻り

精算していると

都築がふと呟いた









『 そういえばさ

北斗って、此方来てからずっと此処で働いてるよね 』


北「 …あぁ 」


『 アパレル店員になりたいの？

ていうか正社員？ 』








カウンターで頬杖をつき

にこにこと笑う都築

そんな彼女を一瞥すると

無言で頬を抓る








『 痛い痛いっ

手加減してよ 』


北「 11608円 」


『 高… 』








財布からぴったりお金を出し置き

でもさー、と都築は言葉を続ける









『 なりたいならやっぱり笑顔位は出来ないと！

にこって、してみよ

ほら、笑ってー 』


北「 今忙しいから帰って 」


『 いや、対応必要な人居なさそうだけど 』









店内には確かに人影が少なく

都築の相手をする松村

そんな中、









北( アパレル店員、ね… )









松村は昔のことを思い出していた









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