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ym.side
伊野尾「・・・やっぱり無理で、別れようって言った。」
途中から泣き始めてしまった慧を優しくハグした。
ギュッ
山田「いのちゃん、ごめん。でも誤解だよ。女の子とあの日キスしてたのは、、いのちゃんを守るためで、」
伊野尾「守る?何一つ変わらなかったのに、」
山田「そうじゃなくて、あの人は俺のストーカーでいのちゃんの命を狙ってたんだって、」
何ヶ月か前からストーカーされている気はしていた。
でもあんな事言われるなんて思って無くて、これが原因で別れるなんてもっと思って無くて、
伊野尾「命を狙うって、絶対に嘘じゃん。」
山田「俺もそう思ってた。でもね、あのクリスマスの日、知らない人がLINEに追加されて、ツリーの下まで来てキスをしろって急に送られてきて、最初は無視したけど、来ないなら隣にいる恋人を殺すって、脅されていのちゃんがいなくなるのが、、嫌だった。すごく怖かった。だから、いのちゃんを置いてツリーの下まで行った。でもキスする気になれなくて、話をしようと思ったんだけど、無理で、相手は刃物持ってたし、」
伊野尾「ちょっと待ってよ!一気に言われても分かんないよ。」
山田「だからその、、ストーカーに脅されて、ツリーの下まで行ったら刃物持ってて、やるしかなくて、」
伊野尾「でも何回もしてたじゃん。」
山田「一回は俺から仕方なくした。それは認める、本当にごめん。でもその後は向こうが勝手にしてきただけで、」
伊野尾「じゃあ、どうして言ってくれなかったの?俺聞いたよね、何してたの?って、」
山田「言ったら、殺すって、、言われたから、」
あの時のことは今でも覚えている。
刃物を持っていて、「キスをしないと恋人と涼介を殺す。涼介が悪いんだよ?」って何の躊躇もなく笑顔で言っていた。
俺は、いのちゃんを死なせたくなかった、
山田「本当にごめん。キスをしたのも、言わなかったのも、いのちゃんの気持ちに気付けなかったのも、」
伊野尾「ううん。もう、いいよ。でも、、これで終わりね。」
山田「え、ちょっ、」
伊野尾「最初に言ったよね。理由を言ったら終わりって。元々ずっと前から終わってたんだし。」
そんなに「終わってた」って言わないでよ。
10年間ずっと会いたかったのに、好きなのに、、
山田「待ってよ。ていうか、、そこまで言うのになんで泣いてるの。」
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作者名:百折不撓(ひゃくせつふとう) | 作成日時:2023年12月24日 13時