心の声で恋をする (ページ20)

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20.話せなくなった理由ページ20

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話すのも怖かったけど、山田が優しく抱きしめてくれてすごく安心できた。

伊野尾(俺の家ってお金持ちじゃん？それで俺のこと嫌う人とかもいてさ、昔から仲良い人と仲悪い人が結構居たんだよね。親が経営難になったときとか、俺が何言っても聞いてもらえなくて何しても見てもらえなかったの。中学生になってテストで100点取ったり1位取ったこともあった。でもだんだんそれも見向きされなくなって、むしろ「うるさい」「いちいち面倒」って言われるようになっちゃったんだよね。)

山田『そんな、酷い。』

伊野尾(別にいいんだよ。本当のことだし。まぁそれで家で話さなくなって教室でも話さなくなって友達も減って、さらに話さないようになって話し方を忘れて、って感じで話せないようになった。勉強だけはできたし顔もなんか可愛いらしくて、女の人から話しかけられることもあったんだけど、俺は一言も話せないから逃げたりしてた。そのせいで男からも女からも恨まれたり無視されたりするようになった。)

山田『いのちゃん悪くないのに、』

伊野尾(俺が悪いんだよ、たぶん。色々あって話せなくなっていじめられるようになって顔隠して逃げてその結果が今の俺。)

【うぜぇんだよ！】【こっちくんな！】【面倒だって言ってるでしょ。そんなこともわかんないの！？】

あぁまた思い出しちゃったな。

こんな時に涙一つ出ないだなんて俺ダメダメだな。

山田『そんなことないよ。いのちゃんは自分のせいにしすぎだよ。優しすぎる。』
ギュッ

優しくなんか無い。俺は、

山田『その考え方やめようよ。少なくとも俺からしたらいのちゃんは優しいし可愛いしすっごくいい人だよ。』

甘えていいの？

山田『甘えていいよ。あ、でも逆に俺が辛いかもな。』

なんで？そんなの嫌、意味がない。

山田『じゃあ、俺と付き合ってください。変に甘えられるのは辛すぎるよ。俺だけ好きなんて嫌、』

甘えたい、もう一人で辛いのは嫌だ。

こういうのはちゃんと言葉にしなきゃ。

伊野尾「、、よろ、しく。」

山田『やべぇ可愛すぎる。やっぱ好きだわ。』

伊野尾「お、れも、、」

山田『俺、今日が命日かもしれない。』

え、嫌だ死なないで！

山田『ｗｗ、そう簡単には死ねないよ。一生いのちゃんを守っていなくちゃいけないんだもん。』

改めてよろしくね。

いつかちゃんと好きって伝えるから。

成人した後の話を書いて終わりにします。リクあればどうぞ。