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4.あいつマジで何? ページ4

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何なんだろう。この人わけわかんない。


山田『好きな人とかいないの?』

伊野尾「・・・」

山田『得意な教科は?』

伊野尾「・・・」

山田『藪ってどんな人?』

伊野尾「・・・」


なんでかわかんないけど毎日保健室に来てて、いっつも質問ばっかりしてくる。

もう書くことをあきらめた。だって早すぎて間に合わないし。


山田『ねぇ!』

伊野尾「んっ!」


メモ帳に“邪魔”とだけ書いて見せた。

あぁ声が出せたらな。声が出せたら困らないのに。

簡単に伝えられるのに。


山田『邪魔ってひどくない!?』

伊野尾「ふんっ!」


俺が話せるのは“んっ!”とか“っ!?”とかだけ。

声になってない声だけ。

これだけでもうれしいけどね。


山田『今も、話せないの?』


大きくうなずく。残念ながらそれしかできない。


山田『少しずつ話せなくなっていったって書いてたけど、今は完全に話せないの?』

伊野尾「ん〜?」


なんて書けばいいんだろう。


山田『うん、は言えるの?』

伊野尾「、、う、ん。」


正直に言うならギリギリだ。

そもそも話せたとしても話すのが怖いし、絶対にこいつとは話さない。

こんな顔面勝ち組男とは。


山田『何?顔になんかついてる?』


とりあえず顔を横に振っておく。

俺は大変な思いしてて顔も良くないのに、こいつはどこをとっても勝ち組。

大ちゃんから聞いたもん。

こいつが運動神経も良くて性格もいい。頭の良さは、まぁ、ね。


山田『もうそろそろ行くわ。またね。』


手話で“もう来なくてもいいよ”とやっておいた。

たぶんわかってないだろうけど。

俺に会いに来たって何の意味もない。何の得もない。なんで来るのかわからない。

時間を無駄にしてほしくない。


コンコン
有岡「いのちゃん〜?」

伊野尾「ん〜。」

有岡「あ、そこにいたんだ。そういえばさっき山田とすれ違ったんだけど、」


山田って誰だっけ。

あ、さっきのしつこい人か!


有岡「山田すっごく嬉しそうだったよ。いのちゃんと話せて。」


俺一言も話してない。


有岡「変に軽蔑しないであげなよ?山田、なんかいのちゃんと会った次の授業はすっごく頑張ってるみたいだし。」


全ての授業を頑張れよ。


有岡「今日は何しようかな〜。ってあ!やっべ、忘れてた。」

伊野尾「ん?」

有岡「高木から借りたペン返さずに持ってきちゃった。」

伊野尾「・・・」


そんなことかよ!

まぁでもさすが大ちゃんだな。

5.脈なし?脈あり?→←3.先輩に質問



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作者名:百折不撓(ひゃくせつふとう) x他1人 | 作成日時:2023年1月29日 16時

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