結婚 40 ページ40
私はあれから脱け殻のように何日か過ごした。
大貴がこんな姿みたら、驚くかな？
でも、私は…大貴のとなりにいる資格なんか、
「なに、しょげた顔してんだよ」
「うわっ！つめっ、」
私のほっぺたにジュースをつけてきた。
「裕翔！！」
「よぉっ！久しぶり！」
裕翔は野球部に入っていてそれの遠征で遠くへいっていた。
１年のくせにもうレギュラーという憎たらしさ
…じゃなくて、すごいセンス。
「Aさん…、聞こえてますから」
呆れたようにいう裕翔。
「と・こ・ろ・で！大貴はー？Aといると思ったのに」
「あぁ、
…大貴はアメリカだよ…。」
「え？！アメリカ！！なんで？」
裕翔に事情を説明した。すると
「すっげー！じゃあ、もうすぐ出世ってことじゃん！さすがだな…」
喜ばしいことなんだろうけど、素直に喜べない。
「…うん。」
裕翔は私のその態度が気にかかったようで
「てか、なんでそんなにしょげてんの。」
と真剣に聞いてきた。
私は愚痴っぽく、裕翔に話した。
「だって、何も言わずいくんだもん。そりゃ、私だって出世はうれしいけど、一言くらい声かけてくれてもいいじゃん、って思って」
なのに、
「う〜ん、でも理由があったんだろ？大貴は大貴なりの考えがあるんだよ
だからさ、大貴のこと信じようぜ？」
裕翔は私に励ましの言葉をかけた
私は今、怒られるようなこといったんだよ？
なのになんでそんなに笑っていられるの？
「え？」
動揺が隠しきれなかった。
でも裕翔のその言葉に、その目に迷いはなかった。
「だって大貴は俺の信頼できる友だちだし、
それになにより、Aが選んだ彼氏だぜ？」
な？っていって私の背中を軽く叩いた。
その瞬間私の中にいた、悪い考えが外にでていった、気がした。
そうじゃん、そうだよ！大貴は帰ってくるよっていってたじゃん！心配することなんてないのよ！
少し会えないからって何よ。
私は一番大切なことを忘れてたんだ。
バカだな…私。
「うん、ありがとう！裕翔！私信じて待つよ！
何日だって、何年だって待ってみせる！」
自信をもって言うことができた。
すると、優しく微笑んで
「それでこそ、Aだ！頑張れよ」
といった。
裕翔、ありがとう。
私、頑張るよ！
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作者名：夢 x他1人 | 作成日時：2017年11月20日 23時
