凡才なので。2【ハイキュー】

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「………あの〜、縁下さん。
さっき旭さん達との話聞いちゃったんですけど………。」

「あぁ、もしかして“逃げ出した”話？」



日向くんがふと思い出したように縁下くんに問うた。

“逃げ出した”。

そのワードに、彼以外の2年………基い、僕らは気まずそうに目を逸らした。

僕なんて特にだ。



「………去年、一時期烏養監督が復帰してたのは聞いてるよね？

その時に……その………情けない話、練習についていけない奴が何人か出まして。

基本的には優しい主将に甘えて、それまで“それなりに楽しくやってた部活”が、途端に“勝つ為の部活”になって。

ぬるま湯に浸ってたみたいな俺たちはびっくりして逃げだした。

でもやっぱりバレーがしたくて戻ってきた時には、烏養監督はもう居なかった。」



………僕なんてもっとタチが悪いだろう。

精神的に疲弊し、1ヶ月ほど休部した。

そして、その後復帰した後も中々素直に部活に行けず、休部後も2ヶ月ほどまともに参加しなかった。

実質、僕が部活に行けなかったのはほぼ3ヶ月。

それから、先輩や他の2年生に励まされ、少しづつ顔を出せるようになって行ったという感じだ。

まぁ情けないとは思う。

それに心が弱かったとも自覚している。

でも…………



………だって好きじゃないし。やりたくてやってる訳じゃなかったから。

だからしょうがない、と今も自分に言い聞かせている。



「うちは部員多くないから。澤村さんはちゃっかり戻ってきた俺達にも目を瞑ってくれてたんだと思う。」

「俺達、情けない2年だけど………、

戻ってこれたからにはお前たちにも負けないように頑張りたいと思うよ。

だから、改めて宜しくな。」



少しだけ、いたたまれなくなった。

多分皆は僕を含めた2年について話してるんだと思うけど。

僕は、皆と一緒にされるような人間じゃないと感じた。



「「ハイ!」」



1年生2人＿＿＿日向くんと影山くんの返事も心に重くのしかかった。



………ごめんね、僕、

君らみたいに好きでバレーやってる訳じゃないんだ。

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