71 Kageyama.side ページ24
「日向ボゲェェェェェ!!!!!」
「へーっ今日はおれの勝ちだね影山!!」
偶然、道で日向と出くわした。
その瞬間から、俺達の勝負は始まっていた。
自転車の日向を俺が走って追いかける。体育館にどちらが早く着くかの勝負だ。
「オマエ自転車はおかしいだろボゲェ!!」
自転車の日向と俺の差は、初めこそ小さなものだったがいつの間にか日向が大きくリードしていた。
俺も走って追いかけるが中々追いつかない。
何故かはよく分からないが、(※自転車だからです)
それが死ぬほど癪に障る。
だが、自転車をおりてからが本当の勝負だ。
日向が自転車を下りてる間に俺は開いてしまった距離を詰めるべく加速して走る。
………しかし遅かった。
クソ、ボゲ、何で自転車降りるのあんな早いんだアイツ。
数メートル先を日向が走る。
「クソが!!!」
「ぅオラァァァ!!…………ッ!?」
だが。日向は体育館に近付いたその時途端に走りを止めた。
俺はアイツにぶつかる寸前で急ブレーキをかけて立ち止まる。
「オイ危ねぇよ!!ぶつかるだろうがボゲェ!!」
だが返事は帰って来ず、
日向は、荒い息を吐きながらある一点を見つめていた。
「?何見てんだ。」
日向が向く方に目をやる。
そこには人がいた。
___弧を描き落下するボール、
その人は綺麗に弓形に身体を反らせ高く高く跳び、
しなやかに腕を振り下ろした。
ボールが地面にたたきつけられ、強く跳ね返る。
俺は、その人もその光景も知っていた。
「ウチにあんな綺麗なサーブ打つ人いたか?
………あ、紕波さん……?」
そいつ__紕波さんは、中学からの先輩だった。
心底面白くなさげに跳ねるボールを見つめる姿が滑稽だった。
「紕波さーん!!」
日向は雛鳥のように馬鹿みたいに紕波さんに駆け寄って行った。
あんなのの何がいいんだと心の中で静かにため息をつく。
どうせあの人は、いつも手を抜いているんだ。
本気にも必死にもならず、罪悪感すらない顔で平然と。
“常にガムシャラなことが、イコール本気なのかよ”
___国見のあの感じとは違う。
あの人は中学時代、俺に向かって確かにこう言ったのだ。
“凡才なので。
本気を出しても特に何もできないからだよ。”
本当に、心の底から軽蔑した。
______
余談
一応影山くんSideだけど、彼は多分、軽蔑とかそういう言葉は知らないと思うんだ。
可愛いね。
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ほし(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます〜!(*´˘`*)♡お気遣い嬉しいです!こちらこそ、今後とも当作品をよろしくお願いいたします!_(._.)_ (4月16日 20時) (レス) @page32 id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初めまして!思いきってコメント失礼します!!この神作に出会ってしばらく経ちますが、ほんとにめちゃめちゃ面白いです…!学業もあるということなので、色々忙しいかと思いますが無理せず更新頑張ってください!これからも応援しています!! (4月15日 17時) (レス) @page32 id: cd5bbf6078 (このIDを非表示/違反報告)
ほし(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます!勿論、及川さんとの絡みはこれからも深堀して盛り込んでいくつもりです……!少し待っていただければ幸いです! (4月14日 21時) (レス) id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
ほし(プロフ) - まなみさん» コメントありがとうございます〜!研磨との絡みはプライベートの話や合宿、ゴ決などで出そうと思ってます!研磨の出番かなり多くなると思うので楽しみにしていただければと思います……! (4月14日 21時) (レス) @page32 id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - コメント失礼します。十和くんが本気を出すの楽しみです(。•̀ᴗ-)✧できれば及川さんとの絡みが見てみたいです〜!これからも応援してます!!お体に気をつけて更新頑張ってください☺ (4月14日 20時) (レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほし | 作成日時:2024年3月21日 22時