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体育館外の空気は冷えていて気持ちよかった。
夏が近づくとはいえ、夜はまだどことなく涼しさを含んだ風が吹いていた。
痛む腰を地面に付けないように静かに横たわる体勢をとる。
何もかも上手くいかなすぎて折れそう。ていうか半分くらい折れかかってる。
風が頬をかすめた。
雑木林が風に吹かれて揺れていた。
木の葉が触れ合う音がする。
………あぁ、無駄な時間だなぁと。
漠然とそう思った。
「紕波？大丈夫？腰痛めたって聞いたけど。」
『………あ、清水先輩。』
体育館の裏の暗がりにいたが、影からそっと顔を出したその先輩に、少しだけビビった。
何せ、突然出てくるものだからつい。
『痛い………ですけど、さっきより全然痛くないので。
…………多分もうすぐ治ります。』
「そう、なら良かった。」
僕の側まで寄って屈む姿に、
あ、これは田中くんも西谷くんもベタ惚れな訳だ、と1人納得した。
「………紕波、無理してない？」
『ぇ、いや別に……大丈夫、ですけど………。』
目を見ると、思った以上にこちらを見透かしていそうな目をしていたので。
この人は周りをよく見れる人だと思った。
あれだけ部員がいるのに1人1人を見るのは大変だろうに。
『……………僕は、悩み事とか無いんで。』
………嘘。
『だから………他の子達の方を、見てやってください。』
………嘘だ。
『大丈夫なので。』
大丈夫じゃない。
現在進行形で心が折れそうだ。
やりたくないのにやらなければいけない。とんでもない労力だ。
「………わかった、何かあったら呼んで。すぐ来るから。」
『ありがとう……ございます。』
静かに立ち上がり、去っていく清水先輩の後ろ姿を見て、どことなく寂しさを感じた。
おかしいな。
僕………こんなに嘘も上手くないし、
寂しがり屋でもない。1人は好きだったはずだ。
皆の元には戻りたくない。そう、確かに思っているはずだ。
………矛盾しすぎだろ。僕。
『はは………バッカみたいだ。』
腰の痛みが消えないで欲しい。
あの明るい場所に、戻りたくない。
僕なんか……やる気なんてこれっぽっちも無い僕があそこに戻ってはいけない気がした。
劣等感で押しつぶされる気がした。
他人事だと、割り切れなくなる気がした。
でも、無情にも痛みは消え去っていくものだから。
本当に………神様は理不尽だと。そう思った。
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ほし(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます〜！(*´˘`*)♡お気遣い嬉しいです！こちらこそ、今後とも当作品をよろしくお願いいたします！_(._.)_ (4月16日 20時) (
レス) @page32 id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初めまして！思いきってコメント失礼します!!この神作に出会ってしばらく経ちますが、ほんとにめちゃめちゃ面白いです…！学業もあるということなので、色々忙しいかと思いますが無理せず更新頑張ってください！これからも応援しています!! (4月15日 17時) (レス) @page32 id: cd5bbf6078 (このIDを非表示/違反報告)
ほし(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！勿論、及川さんとの絡みはこれからも深堀して盛り込んでいくつもりです……！少し待っていただければ幸いです！ (4月14日 21時) (レス) id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
ほし(プロフ) - まなみさん» コメントありがとうございます〜！研磨との絡みはプライベートの話や合宿、ゴ決などで出そうと思ってます！研磨の出番かなり多くなると思うので楽しみにしていただければと思います……！ (4月14日 21時) (レス) @page32 id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - コメント失礼します。十和くんが本気を出すの楽しみです(｡•̀ᴗ-)✧できれば及川さんとの絡みが見てみたいです〜！これからも応援してます！！お体に気をつけて更新頑張ってください☺ (4月14日 20時) (レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほし | 作成日時：2024年3月21日 22時
