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日向くんのスパイクが1本1本攻略されているのが僕にもわかる。
第1セットを取られ、少しずつみんなが焦ってゆく。
「おい!いちいち凹んでらんねーぞ!次の1本取り返す!」
「絶対止められないスパイクなんかないんだ、迷うなよ。」
「次は決めたれ日向!」
「………はい!!」
少し気持ちが落ち込んだ様子の日向くんを皆が激励していた。
___だが相手の………さっきスパイクを止めた7番の子は日向くんの動きに確実に慣れていた。
「大地さんナイスカバー!」
「西谷!」
「レフト!」
スパイクがブロックされ、澤村先輩がレシーブで拾う。もう何度目か分からない。
だが烏養さんはまだ、日向くんを下がらせる気は無いようだ。
『………うお。』
ちらりと横を見ると、月島くんと目が合った。
………多分、僕と同じこと考えてる。
『…………多分、日向くんを下がらせないのは、練習だから。
練習には、“もう1回”があるから。
……相手を伺って作戦を立てるのは、音駒だけじゃない。それは烏野も変わらない。
戦意喪失………しちゃったら、元も子も無いけど。』
多分、僕の言ってることが全てわかっている顔だ。
やっぱり、頭良い、この子。
「別に………。」
『月島くんは…………頭がいいから。そういうのも、ちゃんと見れてる……と、思う。』
「何の褒め言葉ですかそれ。」
『先輩からのありがたーい激励の言葉。』
「何それすごくいらないです。」
日向くんのスパイクがまた相手のブロックに阻まれる。
でも不思議と、彼が折れているようには見えなかった。
影山くんと何か話している。
内容は分からないけど、とりあえずいい内容であることだけはわかった。
音駒7:烏野5。
確実に点差がついてきている。
また、日向くんにトスが上がった。
だが腕を振ったもののボールは当たらず____あ、
『…………あれ。』
違和感。
気付いたのは僕だけじゃなかった。
「今………日向、トスを見た………!!」
やっぱり、菅原先輩も気付いていた。
今の日向くんは、自分でしっかりボールを見て動いていたことに。
「え……でも、それって当然のことですよね?」
「普通はそうだけど!日向の場合、今までボールは完全に影山に任せてひたすらフルスイングだったのに!」
「っ……たっ………たたた、タイムッ!!」
途端に烏養さんがタイムを出した。
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ほし(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます〜!(*´˘`*)♡お気遣い嬉しいです!こちらこそ、今後とも当作品をよろしくお願いいたします!_(._.)_ (4月16日 20時) (レス) @page32 id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初めまして!思いきってコメント失礼します!!この神作に出会ってしばらく経ちますが、ほんとにめちゃめちゃ面白いです…!学業もあるということなので、色々忙しいかと思いますが無理せず更新頑張ってください!これからも応援しています!! (4月15日 17時) (レス) @page32 id: cd5bbf6078 (このIDを非表示/違反報告)
ほし(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます!勿論、及川さんとの絡みはこれからも深堀して盛り込んでいくつもりです……!少し待っていただければ幸いです! (4月14日 21時) (レス) id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
ほし(プロフ) - まなみさん» コメントありがとうございます〜!研磨との絡みはプライベートの話や合宿、ゴ決などで出そうと思ってます!研磨の出番かなり多くなると思うので楽しみにしていただければと思います……! (4月14日 21時) (レス) @page32 id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - コメント失礼します。十和くんが本気を出すの楽しみです(。•̀ᴗ-)✧できれば及川さんとの絡みが見てみたいです〜!これからも応援してます!!お体に気をつけて更新頑張ってください☺ (4月14日 20時) (レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほし | 作成日時:2024年3月21日 22時