凡才なので。2【ハイキュー】

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「月島!!」



月島くんにボールが渡ると、スパイクを打つこともトスをあげることも無く、フェイントで点を取った。

そして、リベロの西谷くんが一旦出て、日向くんが入る。

先程の速攻と同じようでまた、1点点を奪取した。

ホイッスルが鳴り響く。

ここで、音駒がタイムアウトを取った。




＿＿＿＿＿＿
＿＿＿



タイムアウト後から、音駒のブロックの配置が変わった。

恐らく、デディケートシフト寄りだ。

…………見た感じ、東峰先輩をマークする為かと思ったけど。

どうも、違う気がする。



日向くんと影山くんの変人速攻が炸裂する。

だが、相手のブロックでワンタッチされた。



それでどことなく気付いた。

………あぁ、誘導されているのか。

日向くんのスパイクをデディケートシフトにより右側に絞り込んで、動きが素早いブロッカーに防がせる。

今のとここれに気付いているのは僕と烏養さんと………うん、多分影山くんもだ。

月島くんは……頭は良いけど、そこはよく分からない。


そして、速攻が相手のレシーブに返され、研磨がツーアタックでボールを上手く落とす。今度は音駒が点を取った。



『………頭良い。』



多分音駒のブレインが研磨。

その他の人がその研磨に上手く繋ぐから、初めてブレインが生きてくる。



「フェイント来る!前っ」

「ナイス田中!!!」

「影山、ラスト!!」



影山くんがストレートでスパイクを打つ。

サーブ、スパイク、レシーブ、トス、本当に何でもハイスペックにこなすものだ。

全く感心する。

中学からずっとそうだ。

僕は身長の高い彼にずっと見下ろされ、ことごとくお小言を聞かされてきた。


ここでローテーションした。

日向くんがサーブ、前衛に月島くんが上がってきた。



『…………。』



前衛の月島くんを研磨が目線で欺いたのがわかった。



『…………おぉ。』



頭がいい。さすが頭脳派だ。

それ以上に、チーム全体のレシーブが大層安定しているように見えた。

全体として粘り強い、セッターの頭上にピンポイントで返すサーブ。

それがあるからこそ、セッターである研磨が最大限能力を発揮する。

………まったく、よく出来たものだ。




音駒が地道に、少しずつ、確実に1点1点を積み重ねる。



「西谷！」
「ナイスレシーブ!!」



相手は確実にこちらの動きに慣れていた。

そして、音駒のブロッカーが日向くんのスパイクを完全に止めた。





25-22。

音駒がセットを制した。

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