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始めのサーブは音駒高校。研磨だった。
…………決して、威力は無いし見栄えのするサーブでは無い。
普通………に見えたけど、届いた先はコーナーギリギリだったので、やはりそれなりの技術があることは見受けられた。
「旭さん!!」
「オーライ………!スマンちょい短い!」
「旭さん1ヶ月もサボるからっ!」
「スミマセン!」
その短いレシーブを影山くんがカバーする。
トスを上げたのは日向くんだ。
ボールは日向くんの手にドンピシャで当たる。
次の瞬間には既に、相手のコートにボールが叩き付けられていた。
「!!?」
「すげえっ速ぇっ、何!?」
「あんなトコから速攻………!?」
「なんだあありゃあ!?」
向こうのチームも、監督も、感嘆の声を挙げていた。
点が1点動く。次はこちら側がサーブだ。
「田中ナイッサー」
「行くぞラァ!!」
…………おお、田中くんにしては良いコースだ。
そう思ったのも束の間、その良いコースで入ったはずのボールは、向こうの人に完璧にレシーブされた。
そしてセッター………研磨にボールが渡り、向こうからもスパイクが打たれる。
スパイクは西谷くんがしっかり拾った。
「ナイスレシーブ!」
影山くんは、今度も日向くんに……………では無く、
今度は、東峰先輩にトスを上げた。
凄まじいスパイクに相手がひるむ。
そして、こちらの点が動いた。
……………だが、どことなく様子を伺われている感じが拭えない。
気持ち悪い。
全体を…………舐め回すように隅々まで見られている感覚だ。
「紕波。」
試合を観察していると、ふと烏養さんに呼び止められた。
「お前はどう思う、相手を。」
………どういう意図の質問か、よく分からなかった。
だって、この人は既に全て分かっているような表情をしていたから。
だったら僕にいちいち聞く必要は無いはずだと思った。
『………それがどういう意味の質問かは僕には分かりませんけど。』
ただ、“完全回答”を求められているのならば、僕はこう答える。
『相手は狡猾に
ゆっくり、でも確実に。
恐らく後から追い上げてくるタイプかと。
…………勿論、こちらの武器を全て把握した上で、最後にはしっかり仕留めに来ます。』
____まるで、その名の通り…………“ネコ”のように。
ずる賢く、どこまでも貪欲に。
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ほし(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます〜!(*´˘`*)♡お気遣い嬉しいです!こちらこそ、今後とも当作品をよろしくお願いいたします!_(._.)_ (4月16日 20時) (レス) @page32 id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初めまして!思いきってコメント失礼します!!この神作に出会ってしばらく経ちますが、ほんとにめちゃめちゃ面白いです…!学業もあるということなので、色々忙しいかと思いますが無理せず更新頑張ってください!これからも応援しています!! (4月15日 17時) (レス) @page32 id: cd5bbf6078 (このIDを非表示/違反報告)
ほし(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます!勿論、及川さんとの絡みはこれからも深堀して盛り込んでいくつもりです……!少し待っていただければ幸いです! (4月14日 21時) (レス) id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
ほし(プロフ) - まなみさん» コメントありがとうございます〜!研磨との絡みはプライベートの話や合宿、ゴ決などで出そうと思ってます!研磨の出番かなり多くなると思うので楽しみにしていただければと思います……! (4月14日 21時) (レス) @page32 id: 28a3212d82 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - コメント失礼します。十和くんが本気を出すの楽しみです(。•̀ᴗ-)✧できれば及川さんとの絡みが見てみたいです〜!これからも応援してます!!お体に気をつけて更新頑張ってください☺ (4月14日 20時) (レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほし | 作成日時:2024年3月21日 22時