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………“乙骨憂太”。その名は聞いたことがあった。

秘匿死刑囚として呪術界に名を現すも、五条悟の助けにより存命した人物。

無尽蔵の呪力を誇り、

“特級過呪怨霊”に取り憑かれる特級被呪者。


その乙骨憂太が、五条悟と共に輪廻の目の前にいた。



「呪詛師を捕まえる任務だったけど……こんなに弱いなら憂太1人でも十分だったかな?」

「え………さ、流石に無理ですよ先生!」



…………何で。



「何で………何でここに。」

「君を助けに来たんだよ。」

「は………?」



助けなんていらない。

………僕は、物心ついた時からずっと一人で生きているのだから、と輪廻は心で思った。



「湊瀬輪廻。

呪詛師として指名手配されている“人を消す”呪術師だ。

1年前に両親は他界、そして君は天涯孤独となり呪詛師にさせられた(・・・・・)


そうだろう?」



…………五条悟は、輪廻にまっすぐ向き合いそう言った。



「………大まかには合ってます。でも、1つだけ決定的に違う。

僕は呪詛師にさせられたんじゃない。

望んで呪詛師になったんだ。」



輪廻は芯の通った強い声で、はっきりとそう言い放つ。

それに対し五条は、少し驚いたような反応を見せた。

だが直ぐに、静かに首を横に振った。



「………いいや違う。

確かに呪詛師を続けたのは君の意思だ。だけど、始めたのは君の意思じゃない。

人質に取られたんだろ?友人を。」



輪廻の瞳の奥が確かに揺らいだ。

しめた、と言わんばかりに五条はニヤリと薄く笑い畳み掛ける。



「…………やっぱりね。

さぁて、憂太。君の出番だよ。僕じゃ多分、この子は説得してあげられない。

見事説得して…………更生させて見せてよ。

この為に“1人”の寂しさを誰よりも理解してる君を連れて来たんだ。」



………何を言っているんだこの人は、と輪廻は頭にクエスチョンマークを浮かべた。

そして、一方の乙骨は戸惑うように「えっと」を連発している。







「……………憂太が上手く説得した暁には、君は呪術界を担う1人になる。




宮城高専においで。

君の罪は、ここでしか晴らすことは出来ないよ。」








_____この後。


彼は少し遅れて、宮城高専に入学することとなるのだが……。

それはまた、別のお話。

あの懐かしい聲→←*



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作者名:ほし | 作成日時:2024年2月14日 22時

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