廻る廻るひつじ雲【宮城高専】 (ページ6)

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＿＿＿＿どうやら輪廻は、あの時殴られたらしかった。

闇サイトにアクセス後、家にいないはずの両親のパソコンが起動しているのが確認され………、

不審に思われ“裏の人間”にさらわれたという。

目が覚めた時、輪廻は何やら暗い部屋で椅子に縛りつけられ、閉じ込められていた。

「え………、ここ………どこ………。」

「………アイツらの息子ですか。」

「あぁ、どうやらそうらしい。」

「アイツらは裏切ったが＿＿優秀だったからな。」

「利用しない手は無いだろう。」

鳥肌が立つ。

“アイツらの息子”………説明されなくとも、自分のことだということは難なくわかった。

「……………ぇ、」

その瞬間、話し声が聞こえていた扉が勢いよく蹴破られた。

「………あ？起きてんじゃねぇか。話がちげーぞ。」

「もう随分時間が経ってますから……仕方ないでしょう。」

部屋に押し入ってきたのはガタイのいい男2人だった。

高圧的な、かつ野蛮な視線が輪廻を見下ろす。

「………湊瀬＿＿と＿＿のガキで間違いねぇな？」

「……………、ぇ、」

どう答えていいのか分からない。

声の出し方を忘れたように、輪廻の喉からは掠れた声しか出なかった。

「………答えろや。どのツラ下げて俺の事見てんだよ。
次はねぇぞ。さっさと答えろ。」

「ぇと……はい、そ……そうです。」

声が出なかったと思えば、今度は急に喉から声が出た。

“早く、早く答えないと死ぬぞ”と脳が警告しているかのように。

「………いいかよく聞け。てめぇの親は犯罪者だ。」

………そんなこと知ってる。輪廻は、心の中でそう呟いた。

「アナタの両親は、“呪詛師”と呼ばれる呪いを使い生き物を殺す……そんな、大量殺人鬼です。

そして、その能力はアナタにも備わっている。

“流転”。それが、アナタの持つ能力……いや術式です。」

…………心の中で、は？と叫んでいた。

輪廻は、呪いという存在を信じたこともなければ、呪霊というものを見た事も無かった。

それが、いきなり捕まえられ“アナタは呪いを扱える”と言われる。

素直に、理解ができなかった。

「いいな？

親のいないお前はこれから俺達に従え。

さもなくば………コイツら2人とも殺すぞ。」

男が冷徹にそう言った。

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