仕事の部下 ページ2
「、、、、終わったぁー！」
徹夜して、やっと仕事を終わらせる。時計を見ると、夜の8時を指していた。
「うわ、どうりでお腹空くわ」
社長から任された一大プロジェクトだ。失敗は許されない。
「もう一回、見直そ。」
龍「ハル先輩？」
後ろからした声に振り返ると、
「作間くん？どうしたの？」
後輩の作間くん。イケメンで、仕事ができて、人当たりが良くて人気者。彼のことを悪く言う人を見たことなんてない。
龍「いや、まだ帰らないんですか？朝からずっと、オフィスいますよね？」
鞄を片手にスーツコートを羽織っている作間くんは、これから帰るらしかった。
「うーん、大事な資料になるやつだから、もう一回見直そうかと思って。作間くん、あがり？お疲れ様。」
あとちょっとだ。頑張らないと。
そう思って、またパソコンに向かった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
、、、、やばい、寝る。
瞼が重い。でも、あと少し。
それでも眠気はピークに達して、頭からガクッと揺れた。
龍「ハル先輩！」
おでこに誰かの手がある。パソコンのキーボードすれすれのところで、作間くんの手が私のおでこを支えていた。
「ふぇ？？作間くん？あれ、なんで？」
龍「差し入れ、買ってきたんです。そしたら先輩、こっくりこっくりなってて、となりに座っても気づかないから、しばらく見てました笑」
なんていたずらっ子みたいな顔して言うものだから、私は一気に目がさめる。
「なっ、声かけてよ！！ああ、でもありがとうキーボード、、危なかった。あと、差し入れ、、ありがとう。わざわざ、、ごめんね？気を遣わせて。優しいね、作間くん。」
まだよく回らない頭で、状況を判断する。とりあえずお礼を言わないと。そう思って、慌ててお礼を言った。そう。彼が優しいのは有名だ。
ここで、勘違いしちゃだめ。
龍「全然です、ハル先輩、もう あがりますか？」
「うん、このままやっても集中できないだろうし、もう帰ろうかな。」
龍「じゃあ、少し飲みに行きません？」
「へ？」
驚いた。後輩に飲みに誘われたのが初めてだというのもあるけど、ましてや作間くんから。
龍「早めの解散でも全然構わないんで。一杯だけ。、、だめですか、、、？」
ああ、周りの女子社員達が彼に落ちる理由がわかる。そんな目で見つめられたら、ノーなんて言えなくなる。
「いいよ、行こっか。」
龍「！はい！」
私は帰り支度を始めた。
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作者名：とかいこ | 作成日時：2019年7月20日 22時
