ヒソカレ (ページ46)

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当日、クラスの模擬店は予想以上に大盛況だった。

御昼どきはなかなか注文がなくならず、大変だったがそれでもみんなそれを楽しんでいるようだった。

ユ「Aそろそろ休憩いこ！」

ひと段落ついたころ、自作の衣装を身にまとったまま私のところにきた。

主「それで歩くの？」

ユ「当たり前じゃない！かわいいでしょー」

主「可愛いけど目立つね」

ユ「文化祭は目立つための行事！ほら、イベントもう始まってるから行こ！」

ユナは私の手を引き、イベントが行われているグラウンドへと向かう。

ユ「にしても、本当に言うの？」

主「うん」

人はもうたくさん集まっているようで、ガヤガヤとしている。

いくつかのイベントが目次に張り出されている。

いまは『私(僕)の秘密』というイベント。

みんな自分の秘密や友達の秘密を暴露していて、客席はなかなかの盛り上がりだ。

ステージの裏に行こうとした時、突然グラウンドが黄色い歓声に包まれた。

主「な、なに」

ユ「ふふ。きたか、Aこっち！」

全てを悟ったかのようなユナは楽しそうに私の手を引きステージの前列へと入り込む。

主「ミンギュ、？」

そこに立って声援を受けているのはミンギュだった。まってなんで？

頭がこんがらがってるなかで、ミンギュはそこに集まる人全員に聞こえるように、聞かせるように叫んだ。

ミ「俺には彼女がいます！！！！！」

その言葉に男子からはヒューという生やしたてる音が聞こえ、女子からはいろんな意味の悲鳴が上がった。

客席を見わたしたミンギュは私を見つけると優しく微笑みかけ、手を差し伸べてきた。

ミ「A…おいで」

ゆっくりその手につかまり、ステージ上に勢いよく引き上げられる。

その勢いのままミンギュの胸にすっぽりと収まった。

ミ「俺の大切な人です！今まで隠してたけど、もうやめます！」

主「ミンギュ…」

ミ「この人に手を出したら許さないから！」

大ホールは気付けば私たちに声援をくれていた。

ミンギュは人目もはばからず、私にキスをした。

また大きくなる歓声は、私の耳には届かなくて、真っ白になる思考を整理できずにただ顔を赤く染めた。

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