ヒソカレ

043 ページ43

・


主「ちが、理由があって」


ミ「否定はしないんだ」



否定は、できなかった。



ミ「Aさ、前にユナとカラオケにいくからって言った日あったよね？」



そういった日もあった、それを言ったのはジョンハンに誘われた一番初めの日だ。



ミ「俺あの日ユナに会ったんだよね、ソクミンと一緒にいた」


主「え…」


ミ「嘘吐かれてるって気付いてショックだった。だけど、俺はAのこと信じてたしきっとなにか理由があったんだろうって。いつか話してくれるって思ってた」


主「ミンギュ、…」


ミ「だけどよりによってなんであいつと」



ミンギュはさっきのジョンハンを睨んでいた時とは打って変わって悲しそうに口を歪ませている。



主「本当に誤解で、」


ミ「分かってるんだ。きっとあいつになにか言われて脅されて口止めされてたんだろうって、俺分かるんだよAの考えてることくらい。けどさ、けどそれでも関係なしに俺に話してほしかった」



ミンギュの顔は今にも泣きそうだ。


地面に落ちていた鞄を拾い上げ、ミンギュは家へと入ってしまった。


最後に一言、


――頭冷やす。ごめん、しばらく距離を置こう−


そう言って。



・

044→←042

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す