ヒソカレ (ページ42)

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主「ジョンハンならもっといい子見つけられるよ」

ジ「お前がミンギュじゃないとだめなように、俺もお前じゃないと嫌だ」

そういったジョンハンは、いつになく真剣で。

それから私は家につくまで、なにも言えなかった。

ジ「隣同士っていいよなあー」

家の前につくと、ジョンハンが口を開く。

ジ「夜這いし放題じゃん」

主「なにいってんの」

さっきまでの真剣な表情はどこに入ったか、いつものように口角を上げる。

主「もう十分でしょ。帰って良いよ」

ジ「うーんどうしよっかなあ」

なにか考え込むように私を見る。そしていきなり私の顎を掴み顔を寄せた。

主「ま、って」

顎を掴んでいる手を叩き、後ろに後ずさる。

ジ「キスしてくれたら、帰ってあげる」
　

ゆっくり、私の後ずさる足に合わせて距離を縮めてくるジョンハン。

私の背中は家の塀にぶつかった。

ジ「してくれないの？」

主「そんなのするわけ」

そっと右の頬に触れるジョンハンの手、親指は私の唇をなぞる。

近付いてくるジョンハンの肩を押して阻止しようとするけれど、男の力には叶わなくて。

唇が触れる、そう思ったとき、横から誰かがジョンハンに掴みかかり勢いよく殴りかかった。

ジ「いって、」

唇の端をぬぐって、殴った相手を見上げるジョンハン。

それはミンギュで、見て分かるくらいに肩で息をしていた。

ミ「なにしてんだよ、おまえ…」

ミンギュは制服で、地面には鞄も落ちていた。どこか寄り道していたようだ。

ジ「お前こそなんだよ。さっき逃げたくせに」

ミ「こいつに触んな」

普段みたいくらいに怒った顔のミンギュに、少しばかり怖いと感じた。

ジ「まあいいや、また明日な」

ミンギュの様子になにを言ってもだめと思ったのか、ジョンハンは立ち上がるとそう言い残しこの場を後にした。

主「ミンギュ、あの…」

ミ「俺に嘘ついてあいつと会ってたの？」

今まで聞いたことがないくらいに、低い声だった。

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