ヒソカレ (ページ36)

今日:29 hit、昨日:26 hit、合計:188,917 hit

036 ページ36

・

－ミンギュside－

今日は珍しくAと帰れない。

特にすることもないから家に直行するが、なんだか物足りない。

ほぼ毎日一緒に帰っているから、こうやって帰らない日は少しさみしい。

家に着くと、母さんに早かったのねと言われた。

いつも話しながら帰ってきたうえに、そのままさらに家の前で何時間も会話をしているからか、普通に帰るとこんなに早いのか。

時計を見て、部屋に上がろうとした。

母「あ、そうだちょうど良かった。ミンギュ頼まれてくれない？」

ミ「えー」

俺が早く帰ってきたのを良いことに、買い物を押しつけてきた。

最近ハマっている編み物をしたいんだろうどうせ。

どうせすることもないし、たまにはいいかと思い引き受けて家を出た。

スーパーの方へ向かっていると、その途中にソクミンとユナと遭遇した。

どうしてユナとソクミンが一緒にいるんだ、Aは…？

ソ「あれ、ミンギュじゃんなにしてんの？」

ユ「買い物？今日はAと一緒じゃないのー？」

俺たちのことを唯一知っている二人が不思議そうに俺をみる。

どういうことだ、Aは俺に嘘をついた？

いま…他の人と会ってるのか？

ミ「母さんに頼まれて買い物。Aは用事があるからって」

ユ「そうなんだ。なんの用事だろ」

ミ「さあ…俺急いでるから行くわ」

とりあえず、頭を整理したい。

ユ「うん、またね！」

ソ「じゃあな」

ふたりに別れを告げる。

Aが俺に嘘をついたなんて、今までなかった。

どうしてだろう、なにか事情が？

考えてみても分からない。

Aのことは信じてる、あいつはそう中途半端なことをする人間じゃないこともよくわかってる。

それでも、疑問は幾度となく俺の頭をかすめた。

頼まれた買い物を終え食材をリビングに置き、部屋へと向かう。

もう外は十分薄暗い、Aの部屋にはまだ明かりがともっていなかった。

・