ヒソカレ (ページ29)

今日:4 hit、昨日:26 hit、合計:188,892 hit

029 ページ29

・

主「ちょっと！なんなのこんなの盗撮じゃない！」

ジ「そうだね、だけど困るよね？隠してるのに」

主「消して」

ジ「どうしようかな」

主「誰にも言わないで忘れてほしい」

ジ「そんなこと俺ができると思ってお願いしてる？」

ジョンハンは私を見下ろして、スマホを制服のぽっけにおさめる。

にっこりと笑みを浮かべるジョンハンに、私の思考は今に追いつかない。

ジ「俺、Aのことが好きなんだよ？知ってるよね？あれだけアピールしてて知らないなんて言わせないから」

教室内に放置されていた椅子の誇りを数回払って腰を下ろす。

ジ「これは俺にとって大収穫なわけ。好きな子の弱みなんだから利用するほかないでしょ」

主「あんた、何考えてんの」

ジ「他の人にバラしてほしくないなら、俺の言うこと聞いてよ」

嫌な予感がしていた、不安が的中した。

主「言うこと聞いたら消してくれるの」

ジ「さあね」

にこにこ笑うジョンハンと、私はいま対照的な表情を浮かべている。

ジ「うーん、デートしようか」

主「デート…？」

ジ「俺とデート。そうすればあれは消してあげる」

主「ほんと、？」

一緒に出掛けるだけで良いってことだよね？

それだけで消してくれるっていうなら、予想以上に難易度は低い。

ジ「けどミンギュには内緒で」

主「、なんで」

ジ「言ったら面白くないだろ」

面白いとか面白くないとか訳が分からない。

そんな風にジョンハンと内緒で出かけて、気持ちがモヤモヤしないわけがない。

それにもしミンギュがそれをみたら何か誤解してしまうかもしれない。

ジ「ま、別にしたくないならいいけど。これ印刷して学校掲示板に」

主「わかった！わかったわかったから！」

そんなところに掲載されたら噂どころではない、大騒ぎだ。

ジ「何回かデートして、俺が満足したら終わりにしてあげる」

主「…分かった」

とりあえず、あの写真さえどうにかできればいい。

この時は、そればかり考えていた。

・