【文スト】N極の君とS極の私【中原中也】

ろく ページ7

中原中也.



『あー、うんうん。』

女が適当な返事をしたと思ったら、離れたところに固められていた女達と、男達の山の内の三分の一くらいの奴らが、地面から弾かれるように浮かび上がった。

そして女に引き寄せられるように向かって行く。

このままでは女に十数人が激突する、と思ったタイミングで浮かび上がった奴らは浮いたまま静止した。

女と一定の距離を保って。


車につくと、女は迷いなく助手席に座る。

男は俺達に

「前の列の後部座席に乗って下さい。後ろのは倒すので。」

とだけ言って、女が車の外に落とした男女十数人を車の後ろ部分に積んでいる。


仕方なく太宰と後部座席に乗って待っていると、助手席に座っていた女が俺に声を掛けてきた。


『中原中也くん。ららちゃんのこと手伝って、出発が遅れちゃう。』
「…なんで俺の名前を知ってる？」

女は一瞬きょとんとしてから答える。


『今それ聞く？抑々、君たちがここに来たのは首領が直々に、私に君たちのことを頼んできたからだよ。

その私が君たちの情報を首領から聞いてるのは当たり前じゃない？

ほら重力操作して〜、早く早く！』


急かされて車から降りる。車の外では、山のように積まれた男女を一人ずつ積んでいる男がいた。

呻いている山の奴らに触れて、異能力で浮かせる。そのまま車の後ろに積む。

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