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「おい。」
「……」
ホテルの部屋までの道のり
ずっと玉森くんが私の後をついてくる。
って、隣に部屋を取ってるから仕方ないんだけど。
エレベーターで二人きり。
今この状況、無理。
さっきのタクシーのくだり!
公開処刑、そんなことしてないって。
はぁ??
私はずっと悩んでたのに。
なんなの、それ。
府に落ちず、ずっとムスッとしてると
玉森くんが私の顔を覗き込む。
「──っ、」
「ずっとシカトするなよ。
こっち向けって。」
くいっと、顎を持たれ上を向かせられる。
「……っ、やめてよ……」
「ヤダね。」
わざとなのか、顔を近づけてくる。
思わず目をぎゅっと瞑ると
ばーかって鼻を摘ままれた。
「……っ!なにするの!?」
「間抜けな顔してるから。」
「!!!──っ、もうやめてよ!」
ダメだ。
泣きそう。
もう、無理。
あんな接待後で、心も体もボロボロなのに。
玉森くんのいつものからかいも
今日は受け流すことができない。
「ちょっ、おい!」
エレベーターのドアが開いた瞬間、
飛び出して走った。
────でも、
直ぐに腕を取られ、玉森くんの腕の中に収められた。
「もう、そうやってからかうのやめてよ。」
「からかってないし。」
「じゃぁ、なんでこんなことするの?」
「……」
返事しないじゃん。
私はもう、玉森くんのおもちゃはやだよ。
「……だから。」
「……?」
今、なんて言った?
聞き取れなかった。
顔を上げると玉森くんの顔は真っ赤。
耳まで赤くなってる。
「好きだから。」
「……え?」
「好きだからだよ。
Aのこと。」
「……えっ?は?うそっ……!?」
「うそじゃないから。」
「またからかってるんでしょ?!」
そうよ、またからかって、笑うんでしょ?
「離してよ!もういいから!」
玉森くんの腕を振り払うけど
なかなか外してくれなくて。
どうにかすり抜けようと試みるけど
男の人の力には敵わない。
悔しくて、悔しくて。
こんなに玉森くんのことが好きなことが悔しくて。
「…離してよ。」
そう言うと、一瞬腕の力が抜けたが
その手は私の頭をがっしりホールド。
壁に背し、身動きが取れなくて。
「ムカつく。」
そう玉森くんが一言呟いた後
玉森くんの顔が近付いた。
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M H(プロフ) - 藤ヶ谷くんのお話…「きっと愛してしまうんだ」のパクリですか?たまこさんの作品、どれも大好きだったのでちょっとショックです( ; ; ) (2022年5月3日 21時) (レス) @page7 id: a2d6f7ddd8 (このIDを非表示/違反報告)
タ マ モ リ _ ピヨ マ ル(プロフ) - どのお話もドキドキしつつ、会社に3人がいたら良いなと読んでて思いました(><) (2018年1月11日 14時) (レス) id: ac67987a8b (このIDを非表示/違反報告)
さやか - はい!甘い時間にも書き込みさせていただいた、さやかです☆キミシリーも大好きで読んでました!これからも応援しています! (2018年1月10日 23時) (レス) id: 9372bbe37d (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - ゆんちゃまんさん» ご指摘ありがとうございます。漫画読んでみたいと思います。不愉快な気持ちにさせてしまったのでありましたら申し訳ありません。 (2018年1月9日 22時) (レス) id: 0da3131f85 (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - さやかさん» 甘い時間にもコメントくださいましたよね?(違ったらごめんなさい。)読んで下さってありがとうございます。太ちゃんの照れてる顔可愛いですよね(笑) (2018年1月9日 22時) (レス) id: 0da3131f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまこ | 作成日時:2016年12月11日 22時