じんわり、ふわり。

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だからあの日、

酔った勢いにしろ

私は嬉しかった。


朝、目が覚めて北山くんが隣に寝てるの

切なくて。悲しくて。

嬉しかったのに悲しいって変だよね。

現実とのギャップに戸惑ってたんだと思う。



付き合ってないのにえっちして

抱かれた後に好きだって気付くなんて。


────でも。




“俺たち付き合うってことでいいんだよな？”



あの言葉を聞いて

嬉しくてたまらなかった。

どんな始まりでも

想いが通じたんだって。



だけど、その、

あの北山くんだから

なに考えてるのかわからない。



あれ以来、えっち出来なくて。

初めてがアレだから、

その、二回目は大事にしたいとゆーか。


もともとそんな遊びでなんて

割り切って出来るようなタイプじゃないし。

北山くんだったから……

好きだったから……

私はえっちしただけで。



桜井さんの、簡単には落ちないよな。

って言葉が気になって。



───私は簡単に落ちる女？








「……ごめん、今生理なの。」


「……そうなんだ。」





いい感じになって、いい雰囲気になった時

何かしら理由つけて断ってる。









「……ひっどい女。」


「…やっぱり？
でも、いやなの。
簡単にやれる女だなんて思われたくないし。」



休日、友達に相談。

私、間違ってるのかな？

大体、北山くんは私のこと好きなのかな？

好きって言われてない。


やっぱり遊び？

でも遊びならあの日あんな言葉言わないよね？



「北山くん可哀想。」


「……」


「遊びなら付き合うなんて言わないでしょ？
そんなに悩むくらい好きなんだよね？」


「……うん。好き。」


「答え決まってるのに何で？
好きな人に触れられたくないの？
触ってほしくない？」


「……ほしい。」


「でしょ？
普通そうでしょ？」


「……うん。」


「ね？
変な意地張ってないで、素直になりなさい。」



素直になりなさい、か。

そうだよね。



「今から会うんでしょ？」


「……うん。」


「えっち解禁だね。」


「ちょっ……///
やめてよ、そんな言い方！」


「可愛い下着付けてる？」


「もーやめてよ。」



ピッと胸元を覗く由紀は

他人事だからやけに楽しそう。

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