【弱ペダ】真波くんの恋愛事情。【真波山岳】

８話【理由】 ページ9

真波サイド




『……まなみ、くん…？』




「……はは、じょーだんです！泣き止みました？」




何してんだろ、俺
こんな時に告白したって先輩をますます悩ませるだけ。

俺がするべきことは、先輩を悩ませることじゃない。





『……ごめんね？なんか、心配かけて』




「……いいんですよ、俺が、勝手にやったことなんで」





先輩はまだ泣きそうな顔してたけど、とりあえず泣き止んだ

よかった…



……あれ？


「えっ」




また泣いてる…？

えっうそ、俺が泣かしたのかな！？

ど、どうしよ、え、え、え、



軽くパニクる





『あれ…？…だーめだ、涙腺緩んでる』


はは、と笑って先輩は可愛くて。



よかった、さっきとは違って笑顔だ




「先輩泣きすぎですよー？」


……足音が聞こえる

声も聞こえる。電話、してる…？



《「ではまたな！まーきちゃん！」》


！…東堂さんだ



少しだけ考えた後、心の中で先輩に謝る




ごめん、先輩




そしてハグをする



『まなみく…』

「静かに」



もうすぐ東堂さんがくる

ここでA先輩が泣いてると気付くと、
あの人、性格いいから
保健室へ連れてって、優しい言葉をかけて、笑わせて…。

でもそれがまた先輩を苦しませるんだ



それを阻止しないといけない




「む、真波ではないか！何故こんなところにいるのだ？俺は購買で飲み物を買おうと思ったのだが売り切れていてな、それで……」


……よく喋る先輩だな、ほんと



「東堂さん〜俺今彼女といい感じの雰囲気なんでぶち壊さないでくださいよ〜」


ごめん先輩



「ワッハッハ、それはすまんね！ではな！」




＊




ごめん、先輩

俺が先輩を隠した理由、それだけじゃない。

人前で泣かない先輩の超レアな泣き顔、独り占めしたかったんだ。、



わがままで、自分勝手で、

「……先輩、ごめんね」

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