わたしは主人公にはなれない

癖 ページ10

教室を抜け出してから、うちは

知らず知らずのうちに屋上に来ていた。

なぜか、道を知ってた。

なんでかな…？


また。まただ。

皆の空気を壊しちゃった。

最低だ。

自分のために他人に迷惑をかけるなんて。

最低。ほんとうちはなんて嫌な奴なんだろう…


ｷｭｯ

爪が手の甲に食い込む。

痛い。痛い。だけど気持ちいい。

気分が楽になる。

嫌いな自分を痛めつけたい。

もっと強く。血なんか出てきたら最高。


噛みつきたい。自分の腕。かたい。

すごく痛いよ。でも、トマラナインダ…


アサ)…A！


え？


アサ)お前、何やってんだよ…


『別になんも？どうしたのお兄ちゃん？^^』


アサ)作り笑い、やめろよな。


……………………


アサ)俺、そういうの嫌いなんだよ。


………！


『アーサーにｯ何がわかるの？！うちのこと、なんもｯ知らないくせに？！』


嫌だ。勢いに任せて流れる言葉。


これじゃあ嫌われちゃうよｯ

やだよ嫌われたくないよ…ｯ！


ツー


伝い落ちた冷たい涙。

君に見えないように俯く。

両目から溢れだした醜い涙。

人前で泣くなんてみっともないこと、

恥ずかしくて出来ないのに……………


出来ないのに、涙が止まらない。

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