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「大丈夫。きっといい方向に進んでいく。」
これ目を通した上で、悠音と模擬戦してみなよ。とクリップ止めの書類を手渡す。
煩わしそうに重要書類への押印をしていた太刀川さんは印鑑をほっぽり出して、数枚の資料を捲った。
迅 悠音。今年度１期分入隊者SE診断結果。
１枚の書類を見た太刀川さんの瞳は丸くなって、やがて挑戦的に痩せる。
「ふぅん。…いいじゃん。俺は強い奴が大好きだ。」
「流石、愛弟子には甘々だねぇ」
薄々気づいてたでしょ？と首を傾げ、書類を纏め始める俺に肩をすくめる。
どうだか。とまだ予知を覆したがる彼は俺より乱雑に机の端へ書類を固めた。
「さーさー、めんどくさい事は終わりだ。行こうぜ迅」
「訓練室にしてよね。ブースに行くと上層部とやり合ってる新人がいるって騒ぎになるから」
「いーだろ、目立ってなんぼじゃねぇか」
「よくない。悠音に変な虫がついたらどうすんの」
ネクタイを緩め、上体を伸ばした太刀川さんは席を立つ。後をついて、窮屈なジャケットを脱いだ。
「つかねぇよ。お前の娘で、お前と俺が師匠だぞ？よっぽど自信ある奴じゃねぇと寄ってこないだろ」
得意気に口角を上げ、ブースではなくしっかり訓練室への道を選んでくれる太刀川さんに笑ってしまう。
「流石太刀川さん。じゃあ悠音が部隊組めなかった時は太刀川さんのせいだね」
頭の後ろで手を組んだ俺に、なんでだよ。とすかさず反撃が飛ぶ。それはあり得ないな。と何故だか自慢げ。
「なんで？」
「ビビってんのか？アイツはそんなヤワじゃねぇ」
どこから湧いてくるのかは分からないが、彼の言葉は妙に説得力があって、言われてしまえばそりゃそうかと言いたくなるし、思わず頷きそうになる。
「…はは、ほんと、太刀川さんには敵わないかも」
思わず丸くしてしまった目を伏せ笑ってみせると、不思議そうに首を傾げられる。
この男にいくら救われているのかも分からない。
でも悔しいから、面と向かってはいってやらない。
コーヒーは明日、一緒に彼の分まで奢ってあげようかな。
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み(プロフ) - おもちさん» 長いお話にも関わらず楽しんで頂けてとっても嬉しいです💕暖かなコメントありがとうございます😍 (2022年7月21日 8時) (
レス) id: aaa9f51a75 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1杯目から読ませていただいたんですが、めちゃくちゃ好きです、この作品。迅さんパパ最高…！！なんか語彙力低下中ですが本当に好きです！迅さん夫婦、幸せに！ (2022年7月20日 18時) (レス) @page7 id: aefd0777d6 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 甲賀忍者さん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます！思いついてどうしても言ってほしくて…！！共感頂けたみたいで嬉しいです😍 (2022年6月9日 13時) (レス) id: aaa9f51a75 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - パパのサイドエフェクトがそう言ってるって素敵な台詞！最高です！ (2022年6月7日 21時) (レス) @page34 id: 75f75dc2eb (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - わかさん» きゃー！！嬉しいですありがとうございますｯｯ！！ぱぱなじんくん大変にツボなのでそう言って頂けてはっぴーです(*^^*)がんばります！ (2021年8月4日 22時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年3月26日 13時
