ご紹介にあずかりました ページ9
昨日はとても貴重な一日だったな、と幸せの余韻に浸りながらショーケースの手入れをしていれば、カラン、と軽快な合図が耳に届く。
「いらっしゃいませ〜。お好きなお席へどう…あ、嵐山さんっ！？」
ボーダーの顔としてテレビや雑誌にも出演してくださる、最早私にとっては芸能人の嵐山さんがそこにいる。本物なのか疑ってしまう程、まだ現実と区別できていない。
上ずった声で呼んでしまったにも関わらず、笑顔はとても真摯だ。
「おぉ、そうだぞ。よく分かったな。どこでもいいのか？」
「いつもテレビなどでお見受けしますので…！お会いできて嬉しいです。はい、お好きなお席へどうぞ」
昨日に引き続き大物に出会いすぎて、今年の運を使い果たしたのではと面食らう。
そんな私の目の前。カウンター席へ座る芸能人様。ちょうど、迅さんが昨日座った席と同じだとぼんやり思った。
全国のボーダーファンに謝罪へ回れるほど、幸せを噛みしめてしまう。
「ご注文お決まりになりましたらお呼び下さいね」
テーブルを挟むごく近い距離。すぐ傍に、テレビの中だけだと思っていた人が実際にいる。
昨日からずっと、夢見心地になってしまいそうだった。
「じゃあ…コーヒーとチョコレートケーキを頼むよ」
「はい、かしこまりました」
一通りメニューに目を通した嵐山さんは、顔を上げ迅さんと同じメニューをご注文なさる。
何だか雰囲気と言い背格好といい、似てるものがあるよなぁ、と思いつつご提供へと向かった。
「ごゆっくりどうぞ」
無事提供を済ませ片付けやら何かと仕事はあるのだが、何となく目の前の大御所感に緊張が解けない。
少しおぼつかなくなってしまう程、緊張が表に出る手元。カウンターのお陰もあり、見られずに済み息をつく。
「もし違ったらすまないが、迅が言ってたバイトって君のことかな？」
「っあ、…はい！」
おいしい、とケーキを含み声をあげた嵐山さんは思い出したように告げる。
しばし考えたものの、アルバイトの雇用形態は私しかおらず思わず食い気味に返事をしてしまった。
「じゃあ、君がAさんなのか。迅がいい喫茶店見つけたよって紹介してくれたから来てみたんだ。さすが迅だな、いいところをしってる」
「あ、ありがとうございます…！」
数回頷き微笑む姿は、大人びて見え、それでも心優しい笑顔に胸がいっぱいになる。
やっぱり今年の運は、使い果たしたのかもしれない。
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きます〜！ (2016年9月14日 7時) (
レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます！！更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです！！ほのぼの感が最高です！更新楽しみにしてます！ (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を！！嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね！頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2016年8月17日 15時
