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「店長さんに話してないの？」
不思議そうに首を傾げる迅さんはコーヒーを一口含む。濃く統一されたブラウンの水面がたぷんと揺れた。
とりあえず、ボーダーの皆さんの…ってのは、彼には黙っておきたい気もする。
「…早急に話します」
べ、と舌を出し俯く私に、緩く息を吐いた迅さん。
もういっそのこと今日話してしまおうか、なんて彼の前だと変に覚悟が決まってしまい、いっその事。と言おうと思った矢先。
「大丈夫だよ、Aちゃん。…思ってる事、きっとできるよ。」
ふわ、と笑い確信を得たような迅さんに何故だかとても安心しつつ、その真意は分からず首を傾げる。
「本当ですか…？ありがとうございます」
それがどこまで意味しているのか分からないけれど、応援してくれてることが嬉しくて自然と頬は緩んだ。
そこから暫く、陽太郎くんという可愛らしい男の子の話や、弟が私の影響でコーヒーを飲み始めたやら他愛もない話へと戻り、特別な時間を存分に楽しみお会計へ。
迅さんと二人だけの空間で、お客様と従業員の関係を取っ払い分け隔てなく会話をするのは、私には勿体ない程充実した時間だった。そのせいか、お別れを告げるのが妙に寂しい。私はただの、お知り合いのはずなのに。
何となく自分自身に分からせようと膨らむ感情をもどかしく思う私へ、迅さんは耳打ちする。
「今日、言うの？」
いずれ伝えないといけない事だ。それなら彼に背を押してもらった今、向かい合うしかないと思った。
「…頑張ってみます」
「ん。じゃあまたね。…頑張れ」
よし、と控えめに頷き胸の前でこぶしを作る私に、ゆるりと笑んだ迅さん。その大きな手が私の頭を優しく撫でて、そのまま手を振る。
「っ…！ありがとう、ございます」
柔らかな仕草と、初めて触れられた熱に鼓動は早鐘を打ち、体の中心に熱が溜まる感覚に襲われた。
「っ…頑張ろう。」
そっと撫でられた自分の頭に触れ、赤くなる頬を隠すように俯いてしまった私を店長さんは暖かく見守ってくれていた、ようで。
覚悟を決め振り返ると優しく笑う店長さんと目が合う
「話って、なんだ？」
顔赤いぞ、なんてやっぱりからかいも忘れずに、店じまいを始める店長さん。
余計に羞恥が募りながらも、ひとつ深い呼吸を終えて、告げる。
「…お時間、大丈夫ですか」
「ああ。…折角だから、飲むか？」
「っ…はい！」
コーヒーカップを二つ手にしテーブルに座る後を追った。
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きます〜！ (2016年9月14日 7時) (
レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます！！更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです！！ほのぼの感が最高です！更新楽しみにしてます！ (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を！！嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね！頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2016年8月17日 15時
