さっさと逃げろ 棗視点 ページ12
「はぁ…はぁ…っ」
チッ、血がどんどん出てきやがる……
「あ…」
オレを刺した生徒が正気に戻った。
「オレ…これもしかしてオレが…！？」
……
「おい、逃げろ…」
「え」
「っ操られた奴全員今すぐここから逃げろ。
これはお前が刺した傷じゃねぇ。自分を守る自信のない奴はここにいればまた…きっとお前のように利用される。
だから、早く行け。」
「あ…」
「こんなキズ…大したことない。」
ブォォオオッ！！！
「わぁ！！」
初校長を火の竜巻で襲わせる。
「はぁ…はぁ…」
「初校長をお助けしろ！」
「結界でギリギリ守られてるがあの小僧の火が強力すぎる！結界師のパワーがもつのも時間の問題だ…っ」
「とにかくテレポートで救出を…っぎゃ！」
神野の雷でそれを阻止する。
っ...
「ルカ！皆を…仲間を結界で守ってくれ。本部はもうすぐ炎で埋め尽くされる……
今のうちに奴らを…無事ここから脱出できるよう操られた奴らを」
「っ棗も一緒に」
「俺はダメだ。」
ルカの言葉を途中で遮る。
「俺はダメなんだルカ…初校長を地獄に叩き落とすのをその目で見届けるまで…
俺はここを離れるわけにはいかない。」
「棗！？」
「俺は大丈夫だ。けどお前らをこの炎から全員守ってやれる余裕は今はない。」
「まさか棗…」
「死なない。死んでたまるか。」
俺は……
「もう一度蜜柑の笑顔を見るまで絶対。約束する…っ、ルカ、お前にしか頼めない……あの時の約束、覚えているなら早く行ってくれ。
頼む…」
それはクリスマスの時。
『ルカ、頼みがある。』
『近いうちにもしも俺の身に何か起こることがあれば、その時は』
『蜜柑を頼む。』
「っ棗！！」
ゴォッッ！！
「っ！！」
「ルカ…っ！」
「俺たちを遠ざけさせるように、炎が迫ってくる…！」
「っ…」
早く行け！！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かな | 作成日時：2021年1月25日 19時
