じんじん。おまけ(ybxym)

＝震える右手・１１＝ ページ31

「それってね・・それって大貴くんの明るさが
　優しさ、笑顔が＿＿みんなのコト導いてるって
　思うんだ・・僕。」


「そ、そんな先生＿＿
　俺の事、買い被りすぎ＿＿＿」


「そんな事ないよ。本当だよ、素敵だもん
　ね、大貴くんの笑顔っ。」

そう言って先生がハッとして

パッと俺から離れ、もじもじーっと

「その。。ごめんね、泣いちゃって。
　１０も年上なのにぃー‥恥ずかしいなぁ、もぉ。」



照れくさそうに笑う先生を見つめ

俺の心臓がまた、ドクドク動く

好き好き好き、好きだーって

叫び声をあげている。




俺は震えた右手でギュッと拳を握り

「侑李先生＿＿＿ッッ！！」

大きな声で、先生を呼んだ。



先生は驚き、丸い潤んだ瞳をぱちくりして

「な、なぁに、大貴くんー・・びっくりー。」




俺は先生を真っ正面から見つめ言ったんだ。

「侑李先生のコト好きだから俺＿＿＿も、皆も
　・・ね、だから自信持ってよ。ね、先生。
　だって、先生の授業楽し〜もんっ。」



「ん、ぅん。‥ありがと、大貴くん。」



「いいえ〜〜♪」

俺は明るく元気に笑顔で言った。



本当は＿＿＿＿。


本当は叫びたかった。

何万回、何十万回も言いたかった。

あなたに好き。好きだって、叫びたかった。



放送室の窓を越えるように

先生と生徒の壁を、越える事は出来ない？？



越えたい、越えたいけど・・でも＿＿＿。



俺は先生の困った顔を見たくなかった。

だから、誤魔化した。誤魔化してしまった。

“皆も＿＿”って付け加え

張り付いた笑顔で笑った。



本当は、本当は・・あなたを明るく照らすのは

この俺。この俺だけだって言いたいよ。



でも＿＿。

もし、好きだと。

好き好き好きっと心の中をぶちまけてしまったら

あなたの可愛らしい笑顔は

困った笑顔になって。それから悲しい顔になって

・・そうなってしまうんだろうな。




そしたら＿＿こわい。怖いよ。





でも俺は、諦めたくない。

諦められない。


だから俺は叫ぶ。


これからもずっと、俺の心臓は高鳴り続け

叫び声を上げ続ける。



何万回、何十万回もあなたに・・

侑李先生に言うんだ。

いつか届くようにと願いながら





侑李先生が、好き好き好き好き


好きだーって＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ッッ。


＝おわり＝

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