=好きだった・5= ページ5
「先帰っちゃおうかな。どうしよう・・。」
ぼそりって呟いたおれの背後から
ガラッとドアの音がした。
おれはホッとして
「あーよかった。」って言った。
大ちゃん戻って来たんだ__って
安心して笑顔で振り向いた。
「_____っ。」
____動けなくなった・・おれ。
ドアの方に視線を向け、動けない。
廊下から入る眩しい日の光りに
んーん。違う‥スラリとした立ち姿の影に
・・怯んで、動けなくなった。
息を呑み、目を細め__影を見つめたおれに
その影が近付き、口を開いた。
「よぉ__涼介。」って___。
拍子抜けする様な、昔から呼んでいる感じで呼ばれた。
喉の奥から声を振り絞る・・
「に‥にぃちゃ___ん。」
「おお。久し振りだ、なぁ涼介。」
____ひさしぶりだ____
・・あ。6文字。6文字だ・・
壇上を去る間際、言った言葉___6文字。
頭の中で兄ちゃんが言った6文字の
唇の動きを思い出そうとする。
「涼介、元気だったか?」___7文字、違う___
「しかし、デカくなったな。」___7文字、違う____
「何だか_____」___4文字、ちが‥ぅ。____
考えている間に、兄ちゃんがグッと近付いて
おれに向かって手を伸ばした。
その手の行く末を、ぼぅっと__目で追った。
「涼介___。」
そっと兄ちゃんの指先が
おれの頬に触れ__兄ちゃんが囁いた。
「涼介‥何か__綺麗になったな。」
「え____・・?」
____な、何文字?___
違う。違う。違う___6文字じゃない。
なに?・・何言ってるの?
___綺麗・・?
訳が分からない_____。
ああ。またくる?くるのかな・・?
あの日々がやってくるの?
もう嫌だ。嫌だ。嫌だ___。
おれはあの時を思い出し、泣いてしまいそうだった。
俯いたおれの顔を覗き込もうとした兄ちゃんを
トンっと押して踵を返し
急いでカバンを持って
眩しく日が反射している廊下に飛び出した______。
嫌だ。嫌だ。いや__だ_____。
あんな思いはもうしたくない。
じんじん。と痛む胸を押さえ
ボタボタと涙で胸を濡らしたくない。
でも、もうおれは___。
ただあれだけの事なのに、あの短い時間だけでも
じんじんと胸が痛んで
ボタボタと涙を零すんだ。
「ぅ__ぅぅ・・・。」
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あひる☆(プロフ) - 白米苺さん» はい!!ありがとーござぃやすー。がんばりますよぅぅ〜(ё)がぁがぁ (2018年9月7日 17時) (レス) id: daf5fa2131 (このIDを非表示/違反報告)
白米苺(プロフ) - あひる☆さん» 私もお返事が来て嬉しいよぉ〜〜!!無理しないように頑張ってくださいっ☆ (2018年9月5日 17時) (レス) id: b21025aefe (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - 白米苺さん» 白米苺しゃまだ〜(*´▽`*)〜♪うふふーまた来てくれてんだぁ〜嬉しいですー。おお!面白い設定っていってくれたっ!!んっでもって病みつきだってぇぇ〜(ノД`)・゜・。うでしー。がんばるぞぉぉ〜!! (2018年9月5日 16時) (レス) id: f7cc0dc41c (このIDを非表示/違反報告)
白米苺(プロフ) - あひるさぁん!お久しぶりです!今回のお話も面白い設定で、病みつきです!!更新頑張ってください(^^) (2018年9月4日 22時) (レス) id: b21025aefe (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - わかねこしゃま〜♪お話しを汲み取ってくれてるーーーぅ(●^o^●)うれしぃぃー。がんばるぞぉ〜〜!! (2018年9月4日 17時) (レス) id: 9d3affb617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あひる☆ | 作成日時:2018年9月1日 19時