─ BEAST SIDE ─ #2 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:28,715 hit

▼47 ページ2

.

夜中の12時を過ぎ、僕と安井くんは集合した

謙「······気にしてんのか？岩橋」

『え..？』

謙「安藤さんのこと
また自分のせいだとか思ってんじゃねぇかなって..」

『·········』

安井くんの言う通り、安藤さんの泣き叫ぶ声が
まだ頭から離れなかった

でも分かってる

こんなの偽善だって、自分で分かってる..

結局自分を守るために、彼女を犠牲にしたんだから..

謙「あの時、岩橋が安藤さんに投票してなくても
みんなは投票してたから彼女はどのみち吊られてた
だから岩橋のせいじゃないって..」

『うん、そうだけど..』

謙「あのな？岩橋..」

安井くんは僕の肩に手を置き

彼より少しだけ背が低い僕に、目を合わせて言った

謙「俺たち、人狼なんだよ」

一番聞きたくない言葉を言われたような気がした

分かってることなのに、なんでだろう

分かってるから、みんなを騙してるはずなのに

改めてそう言われると胸がズキズキするんだ..

謙「村人側のことなんか考えてる場合じゃないって分かるだろ？」

『うん..』

謙「もし俺達が村人側で、違う誰かが人狼だったとしても
そいつらは平気で俺達を騙すし、平気で殺すんだ
自分を守るために

実際そうだっただろ？
前回やってみて、分かってるだろ..」

『分かってるよ..』

謙「覚悟..したんだよな？」

『うん』

謙「なら、前に進むしかない」

·········

そっか

もう、いい人でなんていられないんだ

前回のゲームから、もう既に何人も殺してきてるんだ

馬鹿だな、僕

今さら気づくなんて..

.

謙「行こう、岩橋」

僕は覚悟を決め、頷いた

そして、真横にあった大きなナイフを片手に持つと

部屋の扉を開け、暗闇の廊下に足を踏み出した

.