【人外企画】赤死の魔女と白い猫【名前変換オリジナル】 (ページ1)

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1 魔女とほうきページ1

彼女は魔女。

気が向いたらふらっと北へ

少し飽きたら魔法で遊んで

気まぐれで誰かのために飛ぶ。

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薄暗い森の奥で、数頭の狼が1匹の白猫を追いかけていた。

白猫の後ろ足には狼の噛み跡があり、ふらふらとよろめきながらひたすら走っている。

グルル…と

白猫の前に2頭の狼が近寄ってきた。

白猫は目を閉じ、その場に倒れこんだ。周りの狼達が白猫に一気に飛びかかる。

訪れる、15秒の静寂。

白猫が目を開けると、全身が氷付けになった狼達と、それを見て微笑む、ほうきを持った少女が見えた。

「よし、依頼終了、かな？」

こちらに向かって歩いてくる少女を静かに見つめる白猫。

それに気付かず、氷付けになった狼を見て何かを思考する少女は、ある事に気づく。

「あれ、どうしたの？」

手に持っていたほうきが少し震動している。

何かを訴えるように。

「……あー…あれか」

少女は一瞬周りを見渡し、白猫に視線を向ける。

「残念だけど、私の仕事は動物保護じゃないんだよなぁ……うわぁっ！？」

見てみぬふりをしてほうきに腰かけようとするが、拒絶するかのようにほうきが震動し、少女を振り落とす。

若干苦い顔をして白猫を見つめる少女は、ゆっくりと近寄ってくる。

ゆっくりと白猫の体が抱きかかえられる。

白猫はぐったりとしており、抵抗どころか体のどこも動かさなかった。

少女は文句を言いながらほうきに乗り、遠くの空へ飛び去った。

眼下の森の狼達は、全て氷のオブジェとなっていた。