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秀生side
俺にチョコをくれなかったのは皇輝くんのことで頭がいっぱいだったからなんだって思ったら辛くて苦しくて。
皇輝くんと同じ袋じゃなくても良かったよ？
俺のことは視界に入らないくらい皇輝くんのことが好きなんだね？
色んな感情が入り乱れすぎて泣くことすらできないまま家に帰ると、母親がいつもと同じ紙袋を持ってきた。
「Aちゃんのお母さんが届けてくれたわよ？Aちゃん、秀生に直接渡すの恥ずかしいからって。秀生のこと好きなんじゃない？」
「…いらない。」
ニヤニヤしながら言う母親にそんなの家に忘れていった言い訳に過ぎないのになんで気づけないのかな、と思った。
俺が欲しかったのはその高級そうな袋じゃない。
高級なチョコじゃない。
Aちゃんが作ったチョコが入ってる100均で買ったような安っぽい袋が欲しかった。
皇輝くんと同じそれが欲しかった。
違うのでもいいなんていうのはただのいい子の俺で、ほんとの俺は全然優しくなんかない。
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その数ヶ月後、重大な隠ぺいが発覚して皇輝くんちの会社の経営は大きく傾いた。
子どもだから詳しいことはわからなかったけれど、連日流れるニュースと、両親の家での会話で何となく察していて。
皇輝くんもどこか元気がなさそうだったけど、Aちゃんだけは何も知らなくていつもと変わらず皇輝くんと接していた。
今しかない、と思った。
学校の階段の踊り場。
意気消沈したように歩く皇輝くんにつかみかかった。
何が何だか分からないといった様子の皇輝くんも階段の上だから危険を察知したのか身を守るように応戦してきて。
狙い通りになったと思った俺は、そのままわざと足を滑らせて自ら階段から落ちた。
皇輝くんが俺を落としたと見せかけるようにして。
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意識を失うほどの大怪我を負った俺は、目が覚めて1言目にこう言った。
「皇輝くんにやられた、」と。
それから間もなくして、皇輝くんちの会社は倒産し、皇輝くんは俺たちの前から居なくなった。
知ってたんだ、幼いながらに。
皇輝くんちの会社がうちとAちゃんちの助けでなんとか保っていること。
子どもたちが仲がいいから、ただそれだけだったと思う。
だからそれを利用して。
俺が皇輝くんに大怪我を負わされたなんて知ったら、すぐに皇輝くんちの会社を切るってわかってたんだ。
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あやか - 少年忍者箱推しなのでめっちゃ楽しく読ませてもらいました。これからもがんばってください。応援してます。 (2023年3月22日 22時) (
レス) @page45 id: c044ba1e90 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 琉依さん» コメントありがとうございます！きまぐれ更新だったのに待っていてくださる方がいたなんて嬉しいです( ߹꒳߹ )もうまもなく完結かと思いますのでぜひ最後までお楽しみください🌟 (2021年9月20日 17時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - はじめまして！いつも続きを楽しみにしています！また更新していただけてとても嬉しいです。主人公ちゃんが皇輝くんの手を取ってくれるのかとても気になります。続きを楽しみにしています💕✨ (2021年9月19日 23時) (レス) id: dae3c1a76c (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - ?さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉もありがとうございます(；_；)更新する気はバリバリにあります！が、なかなか時間が取れず遅れており申し訳ないです…。現在続きを執筆中ですので今しばらくお待ち頂けると幸いです(ToT) (2021年9月7日 3時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ほのさんはじめまして！おすすめにこの作品が出てきたので、軽い気持ちで読み始めたのですが、とても内容が私の好みで読んでいてとてもワクワクしました。このお話を更新する予定は無いのでしょうか？ (2021年9月3日 1時) (レス) id: c09227ab17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2020年12月19日 20時
