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Aside
真実に涙が止まらない私の目の前に立った彼は、その涙を拭おうと手を伸ばしかけて引っ込めた。
「…俺には最初からその涙を拭ってあげる資格なんて無かったんだよ。ごめん、」
恋が怖いものだということを、私も知っているからこそ、怒って、責めて、彼をボロボロにしてやろうと思うことが出来ないのが腹立たしかった。
「好きになってごめん、俺がこんなに君のことを狂ってしまうくらい愛さなければ、Aちゃんも皇輝くんも苦しむことは無かったのに…。」
そう言うと、彼は私の手を取って、嵌められていた婚約指輪を抜き取った。
「もう解放してあげるよ…。謝ったって過去には戻れないし、何をしても許されないのは分かってる。だからせめて、せめてもの俺の償いだと思って、」
彼は空っぽになった私の手を元の位置に戻した。
「もう二度とAちゃんには会わない。今まで、嘘をついたまま、ずっと騙していてごめん。ほんとに好きだったから、Aちゃんのことが好きで好きでたまらなかったから、許されない過ちをおかしたこと、許さなくていいから、Aちゃんだけはどうか幸せになって？」
そう言う彼も、驚くぐらい泣いていた。
そういえばあじくんも昔から泣き虫だったなあって。
泣いてるふたりを慰めるのが皇輝の役目だった。
あじくんは私と皇輝の間に入り込めなかったと言っていたけれど、そんなことはない。
あじくんは間違いなく私たち二人の幼なじみだった。
皇輝と二人であじくんの誕生日会のことを相談したあの日、誰よりも皇輝はあじくんのことを信頼しているんだなって皇輝が言う一言一言から伝わってきて、ずっとこの三人で歩く未来が続いていくのだと勝手に思い込んでいた。
いつだって、あなたはちゃんと私たちの隣にいた。
『…あじくんは優しいね。昔からずっと。』
「優しくなんかないよ、おれ、皇輝くんにあんな酷いこと、」
『それでも、今こうやってちゃんと正直に言ってくれたでしょう？優しくない人は最後まで嘘をつき続ける。』
もう一度ちゃんと、自分の手で彼の手を握り直した。
『今まで、ありがとう。』
「…うん、これ、早く行った方がいいんじゃない？」
彼が差し出した私のスマホには颯太くんからのメッセージ。
「きっとお迎えがきてるよ、だから早く行って、」
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやか - 少年忍者箱推しなのでめっちゃ楽しく読ませてもらいました。これからもがんばってください。応援してます。 (2023年3月22日 22時) (
レス) @page45 id: c044ba1e90 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 琉依さん» コメントありがとうございます！きまぐれ更新だったのに待っていてくださる方がいたなんて嬉しいです( ߹꒳߹ )もうまもなく完結かと思いますのでぜひ最後までお楽しみください🌟 (2021年9月20日 17時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - はじめまして！いつも続きを楽しみにしています！また更新していただけてとても嬉しいです。主人公ちゃんが皇輝くんの手を取ってくれるのかとても気になります。続きを楽しみにしています💕✨ (2021年9月19日 23時) (レス) id: dae3c1a76c (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - ?さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉もありがとうございます(；_；)更新する気はバリバリにあります！が、なかなか時間が取れず遅れており申し訳ないです…。現在続きを執筆中ですので今しばらくお待ち頂けると幸いです(ToT) (2021年9月7日 3時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ほのさんはじめまして！おすすめにこの作品が出てきたので、軽い気持ちで読み始めたのですが、とても内容が私の好みで読んでいてとてもワクワクしました。このお話を更新する予定は無いのでしょうか？ (2021年9月3日 1時) (レス) id: c09227ab17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2020年12月19日 20時
